背中の張り・痛みでお悩みの30代男性Kさん(デスクワーク/市川市南八幡在住)施術事例と考察


はじめに

皆さまこんにちは。整体院ゆいまーるです。
今回は、背中の張りや痛みに長期間悩まされていた30代男性Kさん(市川市南八幡在住、デスクワーク)のお話を詳しくご紹介いたします。

2024年11月1日、Kさんは「背中が張ったように硬く、時に強い痛みを感じる」という症状でご来店されました。友人の紹介で以前から当院を知っていたものの、忙しさから先延ばしにしていたとのこと。
しかし、最近になり背中の張りが強くなり、体調や天候によって症状が変動することに不安を覚え、ご相談を決断されました。

このケースは、現代のデスクワーク環境でありがちな症状の一つとして、多くの方に参考にしていただける内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください。


1. Kさんの生活背景と主な症状(問診内容)

Kさんは30代の男性でやや細身。仕事はほぼデスクワークで、1日のうち6時間程度を座りっぱなしで過ごしています。
長時間の座位姿勢が体に与える影響は大きく、特に背中の筋肉や骨格に負担がかかりやすい環境です。

主訴(本人が気にされている症状)

  • 背中の「張ったような痛み」
  • 痛みの発症は約半年ほど前から
  • 症状は天候や体調によって増減
  • 強くなると頭痛や胃痛、気分不良を伴う
  • 腰を反らす動作で背中や腰の「詰まり感」を強く感じる

その他の生活習慣・体調

  • 週1回ジムに通い、30分以上運動
  • ストレスは自己評価で5段階中3程度
  • 喫煙なし、アルコールは月1回程度
  • 既往歴は右足首の強い捻挫以外は特に大きな病歴なし

このように一見健康的な生活を心がけているように見えますが、実際はデスクワークの姿勢負担が身体に影響している可能性が高いです。


2. 身体検査の詳細と結果

Kさんの身体を詳細に検査しました。検査項目は以下の4つです。

  • 脊柱の可動性検査
  • 骨盤の動きの検査
  • 背中の筋肉の触診
  • 腹部(みぞおち)の張り感検査

脊柱の検査結果

  • T1〜T4の右側に硬さあり(胸椎上部)
  • 両側のT12付近に硬さ認める(胸椎下部)

胸椎は背骨の中でも胸郭と連動する部分で、呼吸や姿勢維持に関わる重要な部位です。特にT12付近の硬さは横隔膜の柔軟性低下とも関係が深いとされています。

骨盤の検査結果

  • 左恥骨の動きがやや悪い
  • 他の骨盤部位には大きな異常なし

骨盤の左右バランスが崩れると、体全体の歪みが起こりやすく、結果として背中や腰の負担増加につながります。

背中の筋肉触診結果

  • 脊柱起立筋群が非常に硬く、ゴリゴリとした凝り感あり

脊柱起立筋群は背骨の両側を走る大きな筋肉群で、姿勢保持や体の動きに重要な役割を果たします。ここが過度に緊張すると、背中の張りや痛みを強く感じることが多いです。

腹部検査結果

  • みぞおち部分を押すと息苦しさを感じるが、明確な圧痛や硬さはなし

みぞおちは横隔膜の付着部がある場所で、ここに圧迫や緊張があると呼吸が浅くなり、胸郭の動きが制限される可能性があります。


3. 痛みの原因を考察する

これらの検査結果と問診を総合すると、以下のことが推測されます。

関節や内臓に大きな異常はなし

関節の硬さは一部に見られるものの、内臓由来の痛みを示すような両側の硬さはありません。内臓由来の痛みは両側に硬さや圧痛を伴うケースが多いですが、今回は見られませんでした。

筋肉の過緊張が主な原因

背中の脊柱起立筋の強い硬結と、胸椎上部の片側の硬さ、みぞおち付近の息苦しさから、「呼吸の浅さ」と「長時間の座位姿勢による筋肉の過負荷」が原因として考えられます。

長時間の座位は胸郭の動きを制限し、呼吸筋(横隔膜や肋間筋)の柔軟性低下を招きます。呼吸が浅くなることで体内の酸素供給が不十分になり、筋肉の緊張や疲労が慢性化する悪循環が生じます。


4. 施術方針と内容

Kさんの背中の張り・痛みを解消するためには、以下のポイントを重点的にケアしました。

  • 過緊張した筋肉を効率的に緩めること
  • 胸郭や骨盤の動きを改善し、姿勢のバランスを整えること
  • 呼吸のしやすい状態を促すこと

鍼灸施術

筋肉の深部までアプローチできる鍼灸施術を中心に実施しました。
狙った筋肉は脊柱起立筋、菱形筋、僧帽筋、後頭下筋、広背筋。合計で20本の鍼を刺入し、約10分間置鍼しました。

鍼を刺した際にKさんは

「響きが強くて筋肉がほぐれている感じがわかる。とても良いです。」

と実感を伝えてくださいました。

手技による筋肉のほぐし

鍼の後は、背中全体を約10分間丁寧に揉みほぐし、筋膜や筋繊維の癒着を解消。さらに、骨盤の左恥骨の動きを調整し、みぞおち部には内臓マニュピュレーションという手技を用いて呼吸機能の改善を促しました。


5. 施術後の経過と効果

施術終了時点での再検査では、

  • 胸椎の硬さが軽減
  • 脊柱起立筋の凝り感も減少し、ゴリゴリ感がかなり緩和

Kさんからは

「背中の張りがほとんどなくなり、呼吸がしやすくなった。身体全体が軽く感じる。」

との嬉しいご感想をいただきました。


6. 今後の生活での注意点とセルフケア提案

施術で一時的に症状は改善しましたが、長時間の座位姿勢は変わりません。再発を防ぐため、以下のセルフケアと生活習慣の改善をお勧めしています。

姿勢の見直し

  • デスクワーク中は30分に1回は立ち上がり軽いストレッチをする
  • 背筋を伸ばし、骨盤を立てる意識を持つ
  • 椅子の高さやモニターの位置を調整し、負担を軽減する

呼吸法の改善

  • 深呼吸や腹式呼吸を日常的に取り入れる
  • 横隔膜の柔軟性を高める軽いストレッチを行う

運動習慣の継続と強化

  • 週1回のジム通いは継続し、特に背中周りのストレッチと筋力トレーニングを増やすことを推奨

7. 背中の痛みと内臓疾患の関係について

背中の痛みは筋肉以外に、内臓疾患が原因となる場合もあります。例えば胃や胆嚢、膵臓の問題が背中に痛みを放散するケースです。

今回のKさんのケースは検査上、内臓に明確な問題は認められませんでしたが、強い痛みが続く場合や症状が変化する場合は専門医の診察も大切です。


8. まとめ

今回の施術事例から以下のポイントが挙げられます。

  • 長時間の座位姿勢は背中の筋肉に強い負担をかける
  • 胸郭の柔軟性低下は呼吸を浅くし、筋肉の過緊張を助長
  • 鍼灸施術と筋肉の手技療法は筋緊張を効果的に改善
  • 日常の姿勢改善とセルフケアが再発防止に重要

背中の張りや痛みは、多くの現代人に共通する悩みです。痛みを我慢せず、早めに適切なケアを受けることで、症状の悪化を防ぎ、快適な日常を取り戻しましょう。


9. 当院について

整体院ゆいまーるは市川市南八幡にて、地域の皆様の健康を支える整体院です。
背中の痛みや張り、慢性的な不調に対して、鍼灸や整体、生活指導を組み合わせたオーダーメイド施術を提供しております。

気になる症状があればお気軽にご相談ください。


【参考リンク】

背中の痛みと逆流性食道炎でお悩みの60代女性