【施術事例】3年間上がらなかった四十肩・五十肩が改善! 介護職‐40代男性Tさん‐船橋市印西在住
始めに
こんにちは!整体院ゆいまーるです。
「3年前から肩が上がらない…」「電車の吊り革を掴むのも、服を着るのも辛い…」「介護職で肩に負担がかかるのが悩み…」
もしあなたがそんな辛い四十肩・五十肩の症状に悩んでいるなら、今回の記事はきっと参考になるはずです。特に、介護職で体を酷使しがちな船橋市印西にお住まいのあなたにとって、共感できる内容かもしれません。
2024年1月14日、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)でお悩みの40代男性Tさんが当院にご来店されました。ご来店のきっかけは、当院に通っている友人から「ここめちゃくちゃいいよ!」と勧められたこと。以前から気にはなっていたものの、なかなか行く機会がなく時間が過ぎていたそうですが、今回、元々あった四十肩の痛みが強くなってきたため、ついに来院を決意されたとのことでした。
今回は、Tさんの長年の四十肩・五十肩の痛みがどのように改善へと向かったのかを、以下の流れで詳しくご紹介します。
- Tさんの状態と主な症状
- 身体の検査と症状の背景
- 問診・検査からの推測と施術方針
- 実際の施術と劇的な結果
- 今回のまとめ
ご参考にして頂けると幸いです。
介護職の負担と過去の怪我:Tさんの状態と主な症状

それでは、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)でお悩みのTさんについて詳しく見ていきましょう。
- 性別・年齢: 40代男性
- 職業: 介護職(立ちっぱなしや中腰での姿勢が多い)
今回の主な症状は、**3年前に発症した四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)**でした。それ以来ずっと肩が上がらない状態が続いており、痛みもたまに出てくるため、仕事に支障が出て困っているとのことでした。
痛みがあるのは右肩です。日常生活では、電車の吊り革を掴む際や洋服を着る際に痛みが出たり、うまく肩が上がらない感じがするそうです。仕事では普段は体幹で何とかカバーしているものの、人を持ち上げたり、重いものを持つ動作をする際に肩が痛くなり、非常に辛いとのことでした。
痛めたきっかけは、3年前、普段使っているリュックサックに私物を入れて運んでいたそうですが、その日はパソコンなども入っていたため重く、そのリュックサックを右腕で持とうとした際に痛めたとのことです。
既往歴としては、10年前に虫垂炎になり手術、5年前に逆流性食道炎と診断され、胃が辛いときには胃薬を服用しているそうです。怪我については、12年前にスノーボードで右の大腿骨を骨折し手術を受けており、現在は完治しているものの、冷えると何となく折ったところが疼く感じがするととのことでした。
- 運動習慣: なし
- アルコール: 週5回、チューハイ500mlを晩酌。
- 喫煙: なし。
- ストレス: 親の介護と職場の人間関係のせいで、かなり強く、5段階中の5と自己評価されていました。
- アレルギー: なし。
- お腹の調子: 下しやすく、便が水っぽかったり柔らかいことが多い。
これまでに整形外科のリハビリや整骨院で揉まれたり電気を当てたりもしていたそうですが、あまり改善が見られなかったとのことでした。
次に、身体の検査へと進んでいきます。
肩の可動域と腹部の詳細な状態:検査編
今回行う検査は、Tさんの主な症状である肩関節の可動域の確認と、問診の中で内臓にも問題がありそうだと判断したため、腹部の圧力(腹診)を見ていきます。
まず、最初にTさんにベッドに座っていただき、座位の姿勢で肩関節の可動域を見ていきます。後ほど正常な可動域もまとめで記載しますので、ここでは先に検査結果だけを記載します。
肩関節の可動域
自動運動(Tさんご自身で動かした場合)
- 左の肩関節(痛くない方)
- 屈曲:160°
- 外転:160°
- 伸展:40°
- 右の肩関節(痛い方)
- 屈曲:100°
- 外転:80°
- 伸展:30°
他動運動(施術者が動かした場合)
- 左の肩関節(痛くない方)
- 屈曲:180°(肩前方に詰まり感あり)
- 外転:170°
- 伸展:40°(肩前方に張っている感じあり)
- 右の肩関節(痛い方)
- 屈曲:110°(肩前方が詰まって痛みあり)
- 外転:90°(肩の中に痛む感じあり)
- 伸展:40°(肩前方が張っている感じあり)
肩の動きは複雑なので、イメージしやすいイラストを参考にしてください。
腹部の圧力(腹診)
次にお腹の圧力を見ていきます。この検査の目的とやり方は、Tさんに仰向けになってもらった状態から施術者がお腹を各部位ごとに押していきます。その際に、張っている感じや痛みがあれば、その付近の臓器に負担がかかっている、もしくは機能が低下していることが考えられます。別名「腹診」とも言われます。これも後ほどまとめで詳しく書きますので、ここでは結果だけを記載します。
- みぞおち: 硬さと強い圧痛あり。特にみぞおちの中心部分から指2本分ぐらい右にそれたところに鋭い痛みあり。
- おへそ周り: 硬く、奥まで押すと嫌な痛みが出てくる。
- 下腹部: 少し圧痛はあるが、柔らかい感じ。
- 右鼠径部(そけいぶ): 硬さと圧痛あり。
- 左鼠径部: 硬さと圧痛はあるが、右側よりは弱い。
これで検査は終了です。次に、これらの情報をもとに、Tさんの四十肩・五十肩の原因を推測し、どのような施術が最適なのかを考えていきます。
長年の四十肩・五十肩の真の原因:まとめと推測
まずは問診と検査で分かったことをまとめていきます。
問診から分かったこと
- 40代男性、介護職(立っている時間や中腰の姿勢が多い)。
- 主な症状は右肩の四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)。
- 痛めたのは3年前で、きっかけは重い荷物を持とうとしたとき。
- 痛みは当時よりはかなり収まっているものの、可動域制限と痛みの波がある。
- 痛い動作は電車の吊り革を掴むとき、洋服を着るときなど。
- 既往歴は10年前に虫垂炎の手術済み、5年前に逆流性食道炎(辛いときは胃薬服用)。
- 12年前に右大腿骨骨折し手術済み。寒くなると折った箇所がうずく感じがある。
- 普段運動はしない。
- アルコールを週5回(チューハイ500ml/日)。
- ストレスは5段階中5(親の介護と職場の人間関係)。
- 便は水っぽかったり、柔らかい感じが多い。
検査から分かったこと
肩関節
- 自動運動(Tさん自身で動かした場合)
- 左の肩関節(痛くない方):屈曲160°、外転160°、伸展40°
- 右の肩関節(痛い方):屈曲100°、外転80°、伸展30°(著しい可動域制限)
- 他動運動(施術者が動かした場合)
- 左の肩関節(痛くない方):屈曲180°(肩前方に詰まり感あり)、外転170°、伸展40°(肩前方に張っている感じあり)
- 右の肩関節(痛い方):屈曲110°(肩前方が詰まって痛みあり)、外転90°(肩の中に痛む感じあり)、伸展40°(肩前方が張っている感じあり)
腹診
- みぞおち: 硬く、強い圧痛あり。特にみぞおちの中心から指2本分右にそれたところに鋭い痛みあり。
- おへそ周り: 硬く、奥まで押すと嫌な痛みあり。
- 下腹部: 圧痛はあるが、比較的柔らかい。
- 右鼠径部: 硬さと圧痛あり。
- 左鼠径部: 硬さと圧痛はあるが、右側より弱い。
ちなみに、肩の正常な可動域は以下の通りです。 屈曲0-180°、伸展0-50°、外転0-180°。
推測されること
では、これらの情報から何が考えられるのでしょうか。
まず、3年前に肩を痛めてからずっと肩が上がらないという状態は、肩関節に**組織の癒着や関節の拘縮(こうしゅく)**が起きていることが考えられます。これは、いわゆる四十肩や五十肩、正式名称として「肩関節周囲炎」と呼ばれるものです。似たような疾患にインピンジメント症候群、腱板損傷、肩峰下滑液包炎などもありますが、これらは損傷している組織によって名前が変わります。
肩関節周囲炎のはっきりとした原因自体は正直分かっていないと言われていますが、当院では強いストレスや肩関節自体に負担がかかっている状態で無理な負荷をかけたのが原因だと考えています。
肩関節周囲炎自体は、治るまでに急性期、慢性期、回復期を経て良くなっていくと言われていますが、その期間は人によってまちまちで、大体の方は半年から1年程度、または数年単位で治らない人もいると言われています。
しかし当院では、なぜ肩を痛めたのか、なぜ肩が上がらないのかを多方面から考えてアプローチすることで、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の早期改善ができるのではないかと考え、施術を行います。
Tさんの場合、肩を痛めたのは3年前なので、急性期の炎症期は終わり、慢性期、もしくは回復期に入っていることが予想されます。しかし、拘縮が起きているということは、肩関節の周囲や関節部の組織で何かしらの癒着が起きていることが考えられます。
肩関節と言ってもイメージしにくいと思いますので、当院の骨格模型の右肩のイラストを参考にしてください。
想像が難しいかもしれませんが、肩関節自体はこのようになっており、肩甲骨、上腕骨、鎖骨などによって構成されています。この骨の周りに靭帯、膜、滑液包、筋肉などが付いて肩関節を構成するわけですが、拘縮があるということは、これらの組織に癒着が起きていることが考えられます。
そのため、まず行うべきは癒着を剥がすための施術が第一選択となります。
次に、Tさんの問診から以下の点が気になります。
- 毎日アルコールを摂取している
- みぞおちが痛く硬い
- 便が柔らかい(下痢気味)
- ストレスが非常に強い(5段階中5)
これらの点から、肝臓が疲労している可能性も考えられるため、肝臓への施術も取り入れていこうと思います。なぜ肝臓なのかというと、アルコールは肝臓で分解されるため、毎日お酒を飲むと肝臓が疲労し、肝機能が衰えます。また、ストレスによっても肝臓の機能が衰えると言われています。さらに、肝臓は大きな血管が右の股関節と左の股関節に伸びているため、肝臓の動きが悪い、または機能が衰えていると、便通や股関節に影響が出るとも言われています。
まとめると、今回の施術で行うべきは、肩の組織の癒着剥がしと肝臓の施術の2点です。
では、実際の施術について詳しく見ていきましょう。
カッサと鍼、そして肝臓へのアプローチで肩が劇的に変化:施術と結果
上記で、まず行うべきは関節の癒着剥がしだと書きました。
これには当院では鉄のカッサと鍼を用いて行っていきます。
具体的なやり方は、長めの鍼を用い、肩関節の周囲や中に向けて10本ほど刺鍼(ししん)し、置鍼(ちしん)します。その後鍼を抜き、カッサで肩の周囲を削るようにほぐしていきます。これにより、肩関節の中と肩関節の表面の組織の癒着を剥がすことができます。時間にして、置鍼も含めて15分程度でした。
とりあえずこれで肩の痛みがどうなったかを確認します。結果は以下の通りになりました。
右肩の可動域変化
動作 | 施術前(自動運動) | 施術後(自動運動) |
---|---|---|
屈曲 | 100° | 130° |
外転 | 80° | 100° |
伸展 | 30° | 40° |
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このように、明らかに可動域が向上しました。
次に、肝臓への施術です。
肝臓は主に右の6、7、8番目の肋骨の下にあるため、7番目あたりの肋骨を斜め前方に押して、肝臓の動きをサポートするような感覚で行います。(肝臓も一定の動きをします。)
これは時間にして約5分程度でした。
では、肝臓への施術の効果はどうだったでしょうか。肩の痛みや可動域は大きく変わらなかったものの、身体全体にスッキリ感があり、呼吸がしやすくなったとのことでした。
ここまでで、問診、検査も含めて合計45分程度の施術となりました。施術自体はこれで終了です。
最後に、これからの流れについて説明しました。肩関節自体に癒着が起きているため、それを剥がしつつ、そこに負担がかかりにくい身体を作っていかなければならないため、回数と時間はどうしてもかかることを伝え、次回の予約を取ってTさんにはお帰りになられました。
長年の四十肩・五十肩も諦めないで:全体のまとめ
今回の記事は、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)でお悩みの40代男性Tさん(介護職、船橋市印西在住)の症例について書かせていただきました。
まとめると、Tさんは度重なるストレスや生活習慣によって肝臓や胆嚢、そして肩関節に負担がかかってしまい、3年前に四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)になってしまったのではないかと推測することができました。
現在、肩自体は慢性期、もしくは回復期に入っていましたが、肩関節周囲の癒着があるため、その癒着を剥がすことで可動域の改善、疼痛の改善ができるのではないかと考え施術した結果、明らかに良い結果を出すことができました。
Tさんが当院に来院されたのは1月で、現在この記事を書いているのは9月の初めあたりですが、そこから2週間に1回のペースで約10回程度ご来院いただいています。その結果、現在では肩の痛みと可動域制限はほとんどありません。
もし同じように、長引く四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)でお悩みの方がいれば、私たちがお力になれるかもしれません。
ぜひ一度ご相談ください。