【症例紹介】後頭部の頭痛と肩こりが慢性化していた40代美容師Kさん(船橋市西船在住)

■来院の経緯:ご近所の新店舗が、気づけば「駆け込み寺」に

2023年9月6日、後頭部の頭痛と慢性的な肩こりを訴えて、船橋市西船在住の40代女性Kさん(美容師)が整体院ゆいまーるに来院されました。

Kさんは当院の近隣にお住まいで、2023年5月のオープン前から店舗の工事の様子を見かけており、「整体ができるんだ。いつか行ってみよう」と気になっていたそうです。

そんな折、以前から気になっていた後頭部の頭痛が悪化。ついには吐き気を催すほどのつらさとなり、「これはさすがにまずい」と来院を決意されたとのことでした。


■問診編:頭痛と肩こり、そこに潜む“眼精疲労”と“内臓疲労”

Kさんの主訴は、週1回以上起こる後頭部の頭痛です。特に右側に違和感を覚えることが多く、ひどい時には吐き気まで感じるといいます。職業は美容師。長時間立ち仕事で、細かい手元作業が多く、眼と肩への負荷が常にかかっています。

さらに以下のような随伴症状も見られました:

  • 肩こり(常時)
  • 腰痛(時々)
  • 両ふくらはぎの張り感(常に)
  • 手首の違和感(不定期)

20代の頃から頭痛に悩まされてきたとのことですが、年齢とともに症状が増悪。加えてストレスも多く、自律神経系の乱れも推察されました。

特に注目したのは視力。問診時に「視力はどれくらいですか?」とお伺いしたところ、「両目とも0.1以下」との回答でした。これは明らかな眼精疲労による頭痛の可能性を示唆します。


■検査編:可動域・視覚・腹部の状態から見える“原因の重なり”

頭痛の性質をより明確にするため、いくつかの検査を行いました。

① 頸部の可動域検査(Cervical ROM Test)

  • 上を向いた際:後頭部に詰まり感あり
  • 右を向いた際:右肩に詰まり感
  • 左を向いた際:右側の首に牽引感

→ 首の可動域に大きな制限はなく、関節構造自体に重大な問題は見られませんでしたが、筋膜や神経由来の反応が見られました。

② 目の可動域検査(Ocular ROM)

仰向けの状態で目だけを動かすテストを行ったところ、

  • 右上・真上方向が見づらい

→ 眼筋と視神経の緊張、及び関連する後頭下筋群の過緊張が関与している可能性が高いと判断しました。

③ 腹圧検査および内臓反射ポイントの触診

  • 右肋骨下(肝臓部位)とおへその周囲に圧痛あり
  • Kさんの日常習慣:毎晩500mlの缶ビールを2本、慢性的な下痢傾向

→ 肝臓への負担が筋膜連鎖を通じて右側の首・肩の緊張を引き起こしている可能性が高いと考えました。内臓疲労の影響を無視できない状態です。


■原因分析:眼精疲労と内臓ストレスの相互関係

【頭痛の根本要因】

  • 視力低下に伴う眼精疲労
  • 後頭下筋群の過緊張
  • ストレス性の交感神経緊張

【肩こりの関連因子】

  • 立ち仕事による筋疲労
  • 肝臓由来の右肩への関連痛(内臓体性反射)
  • 消化機能の低下による筋膜の緊張(特に横隔膜連動部)

このようにKさんの症状は、「眼→頭→肩→内臓」という多方向的な因果関係が絡んでいることが明らかになりました。


■施術編:眼精疲労と肝臓へのアプローチを中心に

Kさんの状態に対して、以下の施術を行いました。

① 眼精疲労へのアプローチ

  • 眼球運動トレーニング:時計回り・反時計回りに各5回ずつ、眼球を最大可動域まで動かす
  • 目周囲の鍼施術:鍼20本、10分の置鍼により眼輪筋・後頭下筋群の緊張を緩和

② 内臓マニピュレーション(肝臓調整)

  • 仰臥位にて肝臓周囲の膜組織の動きを改善
  • 呼吸と連動させながら肝臓の可動性を回復

これにより、右肋骨下部の圧痛が消失。おへそ周囲の張り感も軽減しました。

③ 筋膜リリースと手技療法

  • 頚部・肩・背部・腰部の筋膜の滑走性を改善
  • 15分程度の手技による筋肉の緊張緩和と血流改善

■施術後の変化と経過

施術後、以下の変化が確認されました:

  • 首を上に向けた際の後頭部の詰まり感が消失
  • 首を回旋した際の右肩の引っかかりが解消
  • 肝臓部の圧痛が軽減
  • 「頭がとてもスッキリした」との主観的な感想

初回施術後も数回継続して来院され、「頭痛が明らかに減った」「お酒も減らしたおかげで体が軽くなった」と実感されています。


■総括:頭痛・肩こりに“内臓と眼”の視点を持つ重要性

Kさんのケースから分かるように、頭痛や肩こりといった筋骨格系の症状も、視覚や内臓、生活習慣と深く関係しています。

眼精疲労が招く筋緊張

  • 眼筋の過労が後頭下筋を介して頭痛に
  • 長時間の集中や視力低下が慢性化すると自律神経も乱れる

肝臓疲労が引き起こす筋膜緊張

  • 肝臓の循環障害が右肩・首へ関連痛を波及
  • アルコール過剰摂取による内臓疲労が筋緊張を慢性化させる

■ひとことアドバイス

目の疲れを感じたら意識して休息を。画面を凝視し続ける日々が、知らないうちに頭痛や肩こりの原因になっているかもしれません。

また、日々の飲酒も体に負担をかけています。Kさんのように小さな見直しから体が変わっていくことも多くあります。

頭痛や肩こりでお悩みの方は、ぜひ一度、全身のバランスを見直す整体を体験してみてください。