長年のしつこい肩こりから首の痛みへ… 船橋市西船在住30代男性Yさんの症状を改善に導いた施術とは
初めに
こんにちは!整体院ゆいまーるです。
「昔から肩こりがひどくて、最近は首まで痛くなってきた…」「クイックマッサージに行ってもすぐに元に戻ってしまう…」
もしあなたがそんな辛い肩こりや首の痛みに悩んでいるなら、今回の記事はきっと参考になるはずです。特に、デスクワークで座りっぱなしの時間が長く、長年の体の不調を抱えがちな船橋市西船にお住まいのあなたにとって、共感できる内容かもしれません。
2024年10月6日、長年肩こりに悩まされている30代男性のYさんが当院にご来店されました。ご来店のきっかけは、以前までは肩が凝っている感覚と疲労感のみだったのが、最近では首を動かした時に首から肩にかけての痛みとつっぱり感が出始めたからだそうです。これを機に、真剣に体のケアとメンテナンスをしたいと思い、ご来店を決意されました。
今回は、Yさんの長年の肩こりから派生した首の痛みとつっぱり感がどのように改善へと向かったのかを、以下の流れで詳しくご紹介します。
- 長年の肩こりと新たな症状:Yさんの状態
- 身体の検査
- 問診・検査からの推測とまとめ
- 実際の施術と劇的な結果
- 今回の施術のまとめ
同じように昔から肩こりが気になっていたり、痛みなどのお悩みがある方の参考になれば幸いです。
デスクワークと長年の肩こり、そして新たな首の痛み:Yさんの状態
それでは、しつこい肩こりでお悩みのYさんについて詳しく見ていきましょう。
- 年齢・性別: 30代男性
- 職業: 事務職(基本的に座っていることが多い)
Yさんの肩こりは、2〜3年前から自覚症状が出始めていたそうです。主に伸びの動作で、肩に張っているような重さ(凝り感)を感じていたとのこと。
そして、2ヶ月前から首を横や前に動かした時に、首から肩にかけてつっぱるような感覚を覚え始めました。クイックマッサージにも行ってみたそうですが、早いとその日の夜には同じ感覚がぶり返してしまうため、いつも散歩で通る道沿いの当院にご来店されたそうです。
その他のYさんの情報は以下の通りです。
- 運動習慣: なし
- 飲酒: なし
- 喫煙: 1日に20本ほど
- カフェイン: コーヒーを1日に2、3杯ほど
- お腹の調子: 好調
- 持病・既往歴: なし
次に、検査について詳しく見ていきます。
首の可動域と背骨の機能不全:検査編
今回ご来店いただいた目的は、第一に首を動かした時に感じる首から肩への痛みとつっぱり感を無くしたいとのことでしたので、まずは首の異常について検査をしていきます。
首の検査
Yさんは首を左前に倒すと右側の首から肩にかけて痛みとつっぱり感が出るとのことでした。そこで、まずご自身で痛みが出る角度まで首を動かしてもらったところ、驚くほど可動域が狭く、わずか20°ほど傾けただけで痛みが出てしまうほどでした。
一般的な首の可動域は、横に倒す動作が正常であれば50°、前に倒す動作は60°まで可能とされていますので、Yさんの場合は半分以下までしか動かせないということになります。(出典:日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会策定「運動器疾患の機能評価」)
首の可動域検査と同時にある検査も行ったところ、筋肉や関節以外の部位にも可動域を狭めている原因が見つかりました。これは施術編で改めて詳しく説明します。
その他の検査
基本的に人間は体の各所を補正し合って生きています。そのため、事故や病気、怪我でない限り、患部のみが原因で患部に不調が出るということはあり得ません。
首の症状の場合、実は多くの関節、筋肉、内臓などの不調を補正して症状が出ることが多いです。そこで、その他の部位を検査したところ、Yさんの場合は背骨の上部(専門用語で胸椎1〜4番と呼ばれる部位)の可動性が特にないことが分かりました。
この部位は首の土台でもある部分です。背骨が動かしづらくなることで、正常に体を動かすために首が無理をして動こうとします。その結果、首の関節、筋肉、靭帯などに疲労が溜まり続け、肩こりや痛みが発生するという悪循環に陥ってしまうのです。
これらのことから、今回のYさんの症状をまとめていくと、次に示すような推測が成り立ちます。
慢性痛の背景と身体の代償作用:問診・検査からの推測とまとめ
まずは問診と検査で分かったことをまとめていきます。
問診から分かったこと
- 30代男性、事務職、基本的に座っていることが多い。
- 主な症状は2ヶ月前からの首肩の痛みと違和感。
- 肩こりは2〜3年前から自覚症状がある。
- 運動習慣なし。
- 飲酒しない。
- 喫煙は1日に20本ほど。
- コーヒーを1日に2、3杯ほど飲む。
- お腹の調子は好調。
- 持病・既往歴なし。
検査から分かったこと
- 首の可動域が正常値の半分以下。
- 背骨上部(胸椎1〜4番)の可動域低下。
推測されること
では、これらの情報から何が考えられるのか、推測を立てていきます。
まず大前提として、今回の症状は慢性痛であることが分かります。慢性痛とは、怪我のように原因が明らかではないが患部に痛みが出たり、急に痛み出して3週間以上経ったもののことを指します。今回のYさんの場合、症状が出てから2ヶ月以上経過していることもそうですが、首を倒した方向と反対側に痛みとつっぱり感が出ているというのも、慢性痛特有の症状です。
先ほども書きましたが、事故や病気、怪我でない限りは、どこか無自覚に悪いところを補正して自覚症状が出てきます。今回のYさんの場合は次のような順序で体が悪化したと推測できます。
- 仕事の姿勢が丸くなりがちなデスクワークの影響で、背骨(特に胸椎上部)の可動域が狭くなる。
- 元々広い可動域を持つ背骨が悪くなることで、体が動かしにくくなる(この時点では、多くの場合、体の柔軟性が落ちたという程度にしか感じません)。
- 体を少しでも動かしやすくするために、首が無理をして動き、日常生活を助ける。
- 首の無理が効かなくなり、痛みとつっぱり感を自覚するようになる。
実は、背骨の可動域が低いと首か腰に症状が出やすくなります。施術中に触診した際、Yさんは普段自覚のない腰の部位にも圧痛を感じていたため、首肩の症状がなくなった時に腰の自覚症状を訴える可能性も考えられます。
そこで今回行う施術として、まずは首の痛みとつっぱり感を改善させるために、先ほど検査で触れた**「とある部位」への施術**と、背骨周辺の筋肉を緩めて関節可動域を回復させる揉みほぐしを行っていくことにしました。
靭帯と肋椎関節へのアプローチ:施術と結果
さて、先ほどからお話ししている首の「とある部位」についてですが、それはズバリ**「靭帯(じんたい)」**です!
靭帯は関節周辺に存在し、関節が動きすぎて外れないように留めておく役割があります。この靭帯にもわずかながら伸び縮みをする柔軟性がありますが、このわずかな柔軟性がないと、神経などを刺激して首や肩などに痛みを出してしまうことが多いのです。
そして、Yさんの場合は、首から肋骨(正確には肺を包む膜)に伸びる胸膜頂靭帯(きょうまくちょうじんたい)という3本の靭帯全てに柔軟性がありませんでした。
実は、検査で首の可動域がわずか20°という非常に狭い状態でしたが、靭帯の検査はそれよりも少ない角度、つまり関節も筋肉も緊張しない角度で行うため、非常に繊細な手技が求められます。しかし、この繊細な検査を行うことで、意外な症状の原因である靭帯の異常をチェックすることもできるため、とても有意義な検査なのです。この今回施術した胸膜頂靭帯が有効打となった症例が別の記事にもありますので、本記事の最後に載せておきますね。
さて、前置きが長くなりましたが、靭帯の施術を行っていきます。
一定の角度と方向にYさんの呼吸を合わせながら施術を行うことで、靭帯の緊張を和らげ、周りに走る神経へのストレスを減らしていきます。Yさんは靭帯への施術を終えた時点で再検査をしたところ、首の可動域が目に見えて増え、痛みが消失する結果となりました。
しかし、まだつっぱり感が残っているとのことでしたので、次に背骨周辺の筋肉群を緩めることにしました。背骨周辺を揉みほぐした後にもう一度検査すると、また首を倒せる角度が増えたものの、つっぱり感がわずかに残るとのことでした。
そこで、もう一度背骨周辺の関節検査を行ったところ、背骨と肋骨をつなぐ肋椎関節(ろくついかんせつ)のうち、上から2個目までの肋椎関節にわずかなズレがあることに気づきました。
簡単な図ですが、黄色が肋骨、水色が背骨になります。
そこで、この肋椎関節に対して、呼吸と一緒に優しい矯正をかけてみたところ、「首を倒してもつっぱり感が出なくなった!」とYさんから声が漏れました。
あとは、日常生活での姿勢指導と、ランニングなどの有酸素運動をおすすめして、この日の施術は終了しました。施術後に伸びの動作をしてもらうと、長年の肩こりもスッキリしたそうです!
長年の不調からの解放:今回の施術のまとめ
今回の記事は、「しつこい肩コリでお悩みの30代男性Yさんー事務職ー船橋市西船在住」という題名で書かせていただきました。Yさんの状態、長年のしつこい肩こりと首肩の痛み、そしてそれに対する施術についてご紹介しました。
結果としては、事前の丁寧な問診と、身体の繋がりを考慮した詳細な検査、そしてその結果に基づいた「靭帯」や「肋椎関節」といった普段あまり着目されない部位への的確なアプローチが功を奏し、症状の劇的な改善を達成することができました。
もし同じように、昔から続くしつこい肩こりや、それに伴う首の痛みなどでお悩みの方がいらっしゃいましたら、私たちがお力になれるかもしれません。
ぜひお気軽にご相談ください。