石灰沈着性腱板炎でお悩みの30代男性Kさんーデスクワークー船橋市印内在住

来店された経緯

 2024年10月1日に石灰沈着性腱板炎でお悩みの30代男性Kさんがご来店されました。

 当店に来店された経緯として2ヶ月前に右肩に痛みを感じはじめ、最初はあまり気にしていなかったが徐々に何もしなくても右肩から右首にかけて痛みが出るようになり痛みの程度自体も強くなってきてやばいと思い病院に行くと、

 レントゲン上で肩?首?あたりに白い影のようなものが映っており、お医者さんからは炎症が起きているのと肩が少しだけ石灰化しているね、酷くはないからとりあえず痛み止めを飲んで様子を見ようか、

 と言われたそうですがなんとか早く治したいと思いGoogleマップで色々探していたところ当店を発見し今回の来店に至ったそうです。

 もし同じような悩みをお持ちの方の参考になれば幸いです。

問診編

 最初に書いて行くのは石灰沈着性腱板炎でお悩みのKさんについての問診編です。

 性別年齢は30代男性、仕事は基本的にパソコンを使い仕事をしているそうでいわゆるデスクワークをしているとの事です。

 今回の主訴は2ヶ月前からの右肩の痛み、場所は肩甲骨の上角の辺りで丁度首と肩の境目の所に痛みがあるそうです。

 病院でレントゲンを撮った所、レントゲンの画像上で白い炎症のような、石灰化のような白い影が診られて軽い石灰沈着性腱板炎と診断され、安静指示と痛み止めの処方を2週間されたとの事でした。

 痛み始めたのは大体2か月前ぐらいで痛めたきっかけなどは特に思い当たらずKさん曰く徐々に何もしなくても痛くなってきたとの事です。

 そこから少しずつ話をさかのぼっていくと今まで大きなケガや病気などはないが2年前にジムでベンチプレスをしている時に胸の肋骨?胸の前の骨がバキっと音が鳴ったと同時に激痛が走り悶えた記憶があるとの事。

 その時も病院には行ったが折れてはいないけど少し骨に傷が入っているかもねと言われ骨挫傷?という診断をされしばらくは痛み止めと安静指示をされたそうです。

 痛みは徐々に治まり楽になった感じがあるとの事でしたが今でもたまに筋トレをすると違和感と多少の痛みというか痛みの手前のような感覚があるとの事でした。

 今でもジムは通っているとの事でしたがあまり重い重量は挑戦しておらず軽めのトレーニングを週に1回程度行っているとの事。

 肩の痛み以外に気になる症状としては首肩のコリとたまに来る腰痛、眼精疲労などもあるそうです。

 では検査の前に石灰沈着性腱板炎について書いて行きたいと思います。

石灰沈着性腱板炎とは

 今回の主訴は何もしなくても痛い右肩の痛みで病院に行った結果はっきりとはわからないがレントゲン上に白っぽい影が映っていたのでお医者さんからは炎症、もしくは少し石灰化してるかもと言われたとの事でした。

 では石灰沈着性腱板炎とは何なのかについて書く前に少し肩の解剖について書いて行きます。

 まず腱板とは別名ローテーターカフと呼ばれ棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋という筋肉で構成されている肩を固定する組織になります。

 この腱板があるお陰で肩は体幹に固定され、様々な動きををすることが出来ます。

 少しイメージがしにくいと思うのでイメージイラストを貼らせていただきます。

 簡単なイラストですが作り的にはこうなっています。

 では今回の石灰沈着性腱板炎とは何かなんですが名前の通り、この肩関節の腱板と呼ばれる部分にリン酸カルシウム結晶という石灰の成分が溜まってしまい痛みを発してしまう病気です。

 好発年齢は40代、50代のどちらかといえば女性が多いとされていますが男女共に発症はするとされており、症状として突然肩に痛みを感じてしまう事が大半でほおっておくと徐々に痛みが強くなっていくのが特徴です。

 現時点の医学ではなぜ関節内にリン酸カルシウムが溜まってしまうのか原因が解明できておらず治療法自体も安静、痛み止めなどの対処療法が一般的となっており、痛みが強い場合やリン酸カルシウムの大きさなどの程度によって外科的に関節内の洗浄や、人工関節置換術などが行われたりすると言われています。

 当ブログでは医療機関ではない為レントゲン写真などがありませんが興味のある方はこちらのサイトを参考にしてもらえると良いと思います。

石灰沈着性腱板炎とは 

慶應義塾大学病院

 ではKさんの石灰沈着性腱板炎をどんな風に施術していくのか続きを書いて行きたいと思います。

Kさんの検査編

 検査編に書いて行きます。

 まずKさんの主訴である石灰沈着性腱板炎による右肩の痛み自体は何もしなくても痛いとの事だったのですが肩の可動域や他に痛みが強くなるような動作はあるのかなど見ていきます。

 まずは肩の正常可動域なんですが以下が肩の基本的な動きと正常可動域になります。イラストも張っておくので参考にしてください。

・屈曲0°ー180°
・伸展0°ー50°
・外転0°ー180°
・外旋0°ー60°
・内旋0°ー80

肩の正常可動域のイラスト

 では上記が肩の正常な動きとイラストになるのですがKさんはどうなのか自動運動(自分で動かしてもらう事)と他動運動(施術者が動かす事)の結果を書いて行きます。

 自動運動
・屈曲0°ー160°
・伸展0°ー40°
・外転0°ー160°
・外旋0°ー60°
・内旋0°ー80

 他動運動
・屈曲0°ー180°
・伸展0°ー50°
・外転0°ー180°
・外旋0°ー60°
・内旋0°ー80

 結果としてこのようになりました。

 結果で分かる通り自動運動での外転と屈曲には少し可動域制限はかかるものの可動域自体には大きな問題はなさそうでした。

 しかし何もしなくても肩に痛みが出てしまうのと他動運動でも自動運動でも屈曲、外転共に160°あたりで右の肩甲骨の上角あたりに強い痛みを感じてしまうという事が分かりました。

 ではここで少しまとめていきたいと思います。

まとめと推測

 今回のKさんの主訴は何もしなくても痛い石灰沈着性腱板炎による右肩の痛みです。

 しかし詳しくお話を聞いて行くとレントゲン上で確かに右肩?首?の方に白い影のようなものが映っているのは確認できるが凄くはっきりと映っているわけでは無かったので、お医者さんも「炎症が起きているのと少し石灰化?しているかもね」ぐらいだったそうです。

 また何もしなくても痛みはあるのですが自動運動、他動運動共に外転160、屈曲160で右肩の痛みは強くなることが確認できました。

 ではどんな施術をしていけばこの右肩の痛みは取れるのだろうかという推測をしていきます。

 まずはっきりはしていないのですが右肩?首?に白い影が映っているという事は石灰化していることもありうるし、肩自体が何らかの理由で炎症していることも考えられます。

 ここで大事な事はもし今回の肩の痛みが本当に石灰沈着性腱板炎の石灰による痛みであるならば外科的な処置、もしくは時間の経過を待つしかありません。

 しかし石灰化はそこまででもないけど何かしらの理由で肩に炎症が起こってしまい痛みを発している、という事であれば炎症部分を何とかするというよりかは

 なるべく 「肩に負担の掛からない状態」を作って上げることで痛みの緩和に繋がるのではないかと考え施術していきます。

 では実際の施術はどうしたか書いて行きます。

実際の施術と効果

 上記でもし石灰沈着性腱板炎の石灰が原因であるならば時間の経過か外科的な処置が必要だが、明らかな石灰化というものが認められない為何かしらの原因で右肩に炎症が起き、痛みが出て居るのではないかと書きました。

 その場合肩を施術するというよりか「肩に負担の掛かりにくい状態」を作ることで痛みの緩和が出来るという事も。

 では実際の施術を書いて行きます。

 まず患部は触らずに骨盤のズレを見ていきます。(骨盤の歪みが肩に影響することもある)

 これは異常なし。

 では今度手首と肘の硬さ、可動域を見ていきます。

 この時手首も肘も可動域自体に大きな問題はなかったのですが肘から手首の間の筋肉が全体的に強く張っていることが分かりました。

 という事はもしかすると末梢神経が肩の痛みに関係しているのではないかと考え、橈骨神経、尺骨神経の経路で特に張っている箇所や硬結がないかを探っていくと、

 手首の親指側、橈骨の茎状突起部分に大きな硬結が確認できました。

 ツボで言うと列缺(れっけつ)というツボの場所辺りになります。

 こちらもイラスト張っておきます。

列缺 ツボ

 大まかにですがこんな感じです。

 では大きな硬結があったのでその硬結と削るように手と鍼で刺激を入れていきます。

 硬結を削る時なかなか痛いんですこれが、、、(すいませんKさん)

 時間にして鍼も合わせて5分程ですが問診検査なども合わせて40分程の時間が経過。

 では効果はどうなのか確認すると。

 先ほどまで何もしなくても痛かった右肩の痛みが無くなり、自動運動、他動運動で痛かった肩甲骨の痛みも無くなっていました。

 これにはKさんもびっくりで

 「手首なんですね、、」

 と感心した様子でした。

 施術はこれにて終了しKさんには

 「一応今の時点で痛みは下がっているので大丈夫と思いますがもし石灰が原因だとしたら痛みは多少なりとも出てくるかもしれないのでまた様子見させて下さい」

 と伝えその日はお帰りになられました。

後日談

 施術した次の日、lineにてKさんから連絡があり内容はというと、

 「肩の痛みが明らかに減りました!!ありがとうございます!」

 という内容でした。

 少しだけ痛いけど明らかに痛みが減って喜んでいました。

 では今回のまとめを書いて行きます。

今回のまとめ

 今回は石灰沈着性腱板炎でお悩みの30代男性Kさんーデスクワークー船橋市印内在住という題名で書かせていただきました。

 今回のKさんの痛みの原因は少し石灰もあるかもしれませんが施術した経緯的に右手首の硬結が原因でした。

 おそらくこの硬結が橈骨神経の走行上付近にあったので硬結が神経を引っ張ってしまい右肩の痛みを誘発してしまったのではないかなと思います。

 もし同じように石灰沈着性腱板炎による肩の痛みで悩んでいる方がいれば今回のように別のところに原因があるかもしれません。

 最後まで見ていただき有難うございました^^