ギックリ腰でお悩みの30代男性Sさんー立ち仕事ー東京都江東区在住

初めに

2024年12月1日、ギックリ腰がなかなか改善せずに悩んでいた男性Sさんがご来店されました。

来店されたキッカケは4日前にサイクリングロードを逆風の中、長時間自転車で走った翌日に左側の腰から左側のお腹にかけて痛みが出たまま症状が改善しなかったので、当店に通われている方から紹介され来店されたそうです。

では今回書いて行く内容は以下の通りです。

・ギックリ腰でお悩みの30代男性Sさんについて

・検査編

・まとめと推測

・施術と結果

・今回の施術のまとめ

同じようにギックリ腰後になかなか改善されないなどのお悩みがある方の参考になれば幸いです^^

ギックリ腰でお悩みの30代男性Sさんについて

性別年齢は30代男性、仕事は立ち仕事をしており基本的に動き回る事が多い。

普段は不調などなく生活しているが、高校生の頃から調子が悪い時に左腰が痛くなることがあったそうです。

乗られている自転車もロードバイクという前傾姿勢になるような自転車に乗っているようで、逆風が強い時などはさらに前傾を深くして乗ることが多いようで、今までは左腰に疲労感を感じていたそうです。

一応当店に来る前にクイックマッサージに行かれたようですが、変化がなかったそうです。

その他の情報としては、

 

  • 運動習慣:ロードバイク(通勤)、筋トレ
  • 飲酒:なし
  • 喫煙:なし
  • カフェイン:コーヒーを1日に2、3杯ほど
  • お腹の調子:好調
  • 持病・既往歴:なし

 

では次に検査編を書きます。

検査編

今回ご来店いただいた目的としては左腰からお腹にかけての痛みを取りたいとのことでした。

検査に入る前に痛みの出る動作などを書いていこうと思います。

 

可動域と疼痛

腰を曲げる(前屈):30°ほどしか曲がらず腰に痛みが出る

腰をそらす(後屈):10°ほどしか曲がらず腰に痛みもある

体を左に倒す(左側屈):20°ほどしか曲がらず腰からお腹にかけて痛みがある

体を左に捻る(左回旋):20°ほどしか捻れず左のお腹に痛みがある

 

ちなみに正常な可動域は以下の通りです。

前屈:45°

後屈:30°

側屈:50°

回旋:40°

出典:https://www.jsfr.jp/download/info/2021/20211129_03.pdf

この痛みが出る動作を参考に今回は検査を行なっていきます。

腰の検査

Sさんの可動域と圧痛検査を行ったところ、腰方形筋と腹斜筋という筋肉の繊維にダメージが入った結果痛みが出ていることは間違いなさそうでした。

ですが、筋繊維のダメージだけなら痛みが減ってきてもいい時期なのに4日たった今でも痛みの強さや可動域は本人曰く変わらないそうです。

ということは筋肉以外の何かが実は悪くて、傷めてしまった筋肉はその代償としてダメージが集中してしまい痛みを出しているということです。

なのでここからはその原因の特定を行なっていきます。

まずは原因の切り分けとして骨盤から上半身までを部位ごとに分けて検査したところ、Sさんの骨盤や股関節に本人もわかるくらいの左右差があることを発見しました。

ただこれだけでは原因の特定が不十分なのでもう少し詳しく検査をしてみたところ、右側の仙腸関節と右側の恥骨に可動域制限が出ていました。

左側の症状なのに右に異常が見つかるのは不思議だと感じるかもしれませんが、意外と多いパターンなので症状のまとめと推測としてこれから書いていきますね。

まとめと推測

まずは問診検査で分かった事をまとめていきます。

問診まとめ

  • 30代男性 立ち仕事
  • 主訴は左ギックリ腰と左腹部への放散痛
  • 運動習慣は通勤でロードバイクと筋トレ
  • 飲酒はしない
  • 喫煙はしない
  • コーヒーを1日に2、3杯ほど
  • お腹の調子は好調
  • 持病・既往歴なし

 

検査まとめ

  • 腰の可動域が全てにおいて狭く痛みが出る
  • 特に後屈・側屈・回旋は正常可動域の半分以下なので私生活に影響が出ている
  • 右の仙腸関節と恥骨に異常がみられる

 

という事が分かりました。

ではここから何がかんがえられるのか推測を立てていきます。

まず今回の痛みは筋肉だけではなく、骨盤にある仙腸関節と恥骨という部分の問題も関係しているということを前述しましたが、人間は体のどこかに可動域制限(動かしにくい)やケガなどの急性症状や筋肉痛などの組織損傷が起きると周りの筋肉や関節で手助けし合いながら体を動かそうとします。

そうして代償しながら生活するうちに代償している部分に限界がきて痛みが出るようになります。

いわゆるギックリ腰や寝違えなどもこういった日々の積み重ねでその部位にストレスがかかり続けた結果と言えます。

Sさんの場合も逆風の中自転車を漕いだことがきっかけですが、以下のような流れで腰部の筋肉が柔軟性を失ってしまった結果として腰から腹部へ痛みが出てしまったと推測できます。

 

  1. 仕事やプライベートの動作でかたよった股関節の使い方をしていた。
  2. 股関節周囲の筋肉が疲労などで柔軟性を失って硬くなる
  3. その影響で仙腸関節と恥骨の可動域が制限される
  4. 骨盤の可動域制限を補うように腰部の筋肉や背骨が必要以上に働く
  5. 腰部の筋肉群の使いすぎで柔軟性が失われ硬くなる
  6. 自転車を無理な姿勢で漕ぎ続けて腰部の筋肉が限界を迎えギックリ腰になった

 

ちなみに足の疲労や悪さは神経を介して腰に負担をかけてしまうので、姿勢と無理に漕いだことのダブルパンチで腰を痛めてしまったとも言えます。

さらに補足しておくと腰椎と呼ばれる背骨の一番下の骨が必要以上に動きすぎると腰椎椎間板ヘルニアという腰痛や足などへのシビレを引き起こす症状を誘発する可能性が高まってしまうので、Sさんはヘルニアになる前に施術できてよかったと思います。

施術と結果

早速検査で出ていた骨盤部への施術を行なっていきます。

矯正を行なっていくのですが、当店では巷でよくあるバキバキと音を鳴らしての矯正はあまりしません。

特に今回の仙腸関節や恥骨という部分はかなり繊細な上にバキバキ鳴らすように矯正をしても変化が出にくい部位なので、呼吸と併用しながらの矯正を行います。

矯正を行うと全ての動作時痛がなくなり、回旋(ひねり)以外の動作の可動域が正常まで戻りました!

回旋動作も改善していましたが、最後の最後だけ動ききらないという感じでした。

再度チェックしてみると、最初に圧痛検査をして陽性だった腰方形筋と腹斜筋の影響が大きそうだったのでそれらを緩めたところ回旋動作も改善し本人も「起き上がる時の怖い感じも無くなった!」とおっしゃっていました。

今回のまとめ

今回骨格的には右側が、筋肉的には左側が悪いという一見すると右側の骨格は関係なさそうに感じる人も多いと思いますが、実際には右側のエラーを取り除くと左腰の症状がかなり改善していました。

このように症状の根本原因は同側にないということも十分あり得ます。

同じような症状で、どこに行っても改善していないという方は隠れた原因があるかもしれません。

ぜひご相談お待ちしております。