【施術事例】長年の首肩・背中の張りー越谷市谷中町在住20代事務職男性Kさん

始めに

こんにちは!整体院ゆいまーるです。

「社会人になってからずっと首や背中が張って辛い…」「マッサージに行ってもすぐに元に戻ってしまう…」「ストレスで胃が痛くなることがある…」

もしあなたがそんな身体の不調に悩んでいるなら、今回の記事はきっと参考になるはずです。特に、デスクワークでストレスを抱えがちな越谷市谷中町にお住まいのあなたにとって、共感できる内容かもしれません。

2024年7月12日、首肩の張り感、背中の張り感でお悩みの20代男性Kさんが当院にご来店されました。ご来店の経緯は、社会人になってからずっと首や背中の張り感が気になっており、ここ最近は仕事が終わり家に帰ると張り感がとても辛いとのこと。たまにマッサージなどにも行っていたものの改善されず、インターネットで調べているうちに当院の症例記事を見つけ、「ここなら背中の張り感、良くなりそう!」と思い、埼玉県越谷市谷中町から電車でご来店いただいたとのことでした。

今回は、Kさんの長年の首肩と背中の張りがどのように改善へと向かったのかを、以下の流れで詳しくご紹介します。

  • Kさんの状態と首肩・背中の張りの問診
  • 身体の検査と症状の背景
  • 問診・検査からの推測と施術方針
  • 実際の施術と劇的な結果
  • 今回のまとめ

同じような悩みで困っている方の参考になれば幸いです。


デスクワークとストレスが引き起こす不調:Kさんの状態と首肩・背中の張りの問診

それでは、Kさんと彼の首肩・背中の張り感について詳しく見ていきましょう。

  • 性別・年齢: 20代男性
  • 職業: 事務職(1日12時間程度パソコンを使った仕事をしている)

主な症状は首肩の張り感と背中の張り感でした。

ご来店の経緯でも書きましたが、社会人になってから首肩、背中の張り感がひどくなり、時々マッサージや整骨院などにも行ったものの、やられている時は気持ち良いが、終わってしばらくするとすぐ元通りになるとのことでした。

他にも気になる症状を伺っていくと、ストレスがかかると物を食べ過ぎてしまったり、ストレスがかかると胃が痛くなってしまい、そんな時に何か物を食べると胃が楽になるそうです。

既往歴として、3年前に胃が痛く病院に行くと胃潰瘍があると言われ、薬を飲んで治療し治ったとのことでした。

  • ストレス: 多い。
  • 運動習慣: しない。
  • 喫煙: なし。
  • アルコール: 月に1、2回程度。
  • 睡眠時間: 平均5時間程度。
  • 仕事: かなり忙しく、睡眠時間があまり取れないとのことでした。

次に、身体の検査へと進んでいきます。


首・背中の動きとお腹の張り:身体の検査編

今回の主な症状は首肩と背中の張り感でしたが、張り感自体は普段ずっと気になるというより、疲れてきたりすると気になるとのことでした。

検査で行うのは、首肩・背中の動きの確認と、他に胃に問題がありそうだったので腹圧の検査を行っていきたいと思います。

1. 身体の動作確認

まずは立った状態で前屈時の動きを見ると、だいたい腰を90°ぐらい曲げると太ももの後ろがかなり強く張る感じがするとのことでした。そのまま立った状態で腰を反らすと、一見反っているように見えましたが、腰だけで反っている感じがしており、ご本人も背中自体は反れている感じがしないとのことでした。

次に、首肩の可動域の確認ですが、これはベッドに座った状態で確認しました。Kさんにベッドに座っていただき、上下左右を見てもらい可動域を確認すると、上を向くと曲げている首の後ろ側が苦しい感じがするとのこと。下を向くと左肩が引っ張られる感じがし、左右を向くとどちらも肩が引っ張られるような感じがあるとのことでした。

2. 腹圧の検査

次に腹圧の検査です。これは胸やお腹のどこが硬いのか、どの臓器の動きが悪くなっていそうなのか、というのを確認する検査です。

やり方は、Kさんに仰向けになっていただき、施術者(私)が胸の前、みぞおち、へその周り、下腹部の順で手掌で押し、硬さを見ていくというものです。他の記事でも書いていますが、胸やお腹というものは正常な圧力が各部位で決まっており、それが…

  • : -15
  • みぞおち: +5
  • おへそ周り: +10
  • 下腹部: +15

という値になっています。「ー(マイナス)」が弾力性があり圧力が低い、「+(プラス)」が弾力性がなくなり圧力が高いという感じになります。

ではKさんはどうだったでしょうか。確認すると、

  • : めちゃくちゃ硬い
  • みぞおち: 硬く、圧痛が強い
  • へそ周り: 硬く、圧痛が強い
  • 下腹部: 少し柔らかいけれど圧痛はある

という結果になりました。

これで検査は終了です。ここまでの問診と検査で分かったことをまとめていきます。


ストレスが内臓と自律神経を介して全身に影響:問診・検査のまとめと原因の考察

それでは、問診と検査で分かったことをまとめていきます。

問診から分かったこと

  • 20代男性、事務職でパソコンを長時間使用。
  • 主な症状は首肩の張り感と背中の張り感。
  • ストレスが多い
  • ストレスで胃が痛くなることがあり、物を食べると楽になる。
  • 3年前に胃潰瘍の既往歴あり(治癒済み)。
  • 運動習慣なし、喫煙なし、アルコールは月に1、2回程度。
  • 睡眠時間は平均5時間と短め。
  • 仕事が非常に忙しい。

検査から分かったこと

  • 立位で腰を前屈すると、90°ぐらいで太ももの後面が張る。後屈は背中が反っていない。
  • 座位で首肩の可動域は、上を向くと首の後ろが苦しい感じがし、左右を向くと肩が張る
  • 仰臥位(仰向け)では、胸が硬い
  • みぞおちが硬く、圧痛が強い
  • へそ周りが硬く、圧痛が強い
  • 下腹部は硬さが少しだけだが、圧痛がある。

これらのことから何が考えられるでしょうか。

今回のKさんの首肩と背中の張り感の原因について考えられることを書いていきます。

まず最初にポイントとなるのは、ストレスの多さ胃の症状です。 ストレスによって胃に痛みを感じたり、食べ物を食べると痛みが楽になるという点から、胃の蠕動運動が止まっていることや、胃酸過多になり粘膜を傷つけていることが予想されます。詳しくは自律神経に関する記事でも紹介していますので参考にしてください。(参考記事:自律神経について

そして、胃の神経は主にT4〜T5から出る神経によって支配されているため、考え方として、「背中が張る → 胃の神経が障害される → 胃酸過多」という繋がりや、逆に「自律神経によって胃が乱れる → 神経を通して背中の筋肉が緊張する → 背中が張る」ということも考えられます。そのため、少なくとも神経的なつながりを考えると、胃と背中の張り感は繋がっていると推測されます。似た症状の症例記事もあるので参考にしてください。(参考記事:背中の張り感と逆流性食道炎

次に、首肩の張り感について考えられることですが、首肩の筋肉は自律神経と大きく関わっているとされています。 色々名前が出ている自律神経ですが、簡単に言うと「興奮」と「リラックス」を司る神経です。普段ストレスがあったり、緊張が取れないと交感神経が高まり、全身の筋肉が緊張します。特に首肩の筋肉である胸鎖乳突筋や僧帽筋などは、脳神経の一部である副神経という脳と直接繋がっている神経とも繋がっており、神経の緊張が高まると筋肉は緊張し、長時間同じ姿勢や筋肉の緊張が高まると神経も緊張し、その結果、自律神経が乱れるということが考えられます。

今回のKさんの場合、症状的に首肩の張り感や背中の張り感ですし、ストレス過多、睡眠時間が平均より短め、休みが少ない、運動しない、パソコンをずっと使っている(眼精疲労もありそう)などの理由から、自律神経の交感神経の働きが高まり、乱れていると推測できます。

検査の中でお腹が張っているのも、細かい内臓の硬さなどもありますが、基本的にはリラックスできておらず呼吸が浅かったり、力が抜けないことで張って、内臓、特にKさんの場合は胃に圧迫がかかっていることが予想されます。

細かい解剖学的なことは紹介した記事の中で書いていますのでそちらを参考にしていただいて、今回のKさんの場合を軽くまとめると、ストレスや生活環境によって交感神経が興奮し筋肉は緊張、自律神経は乱れ、そのせいで呼吸は浅く、胃は圧迫され胃酸は過多になり胃に症状が出ていることが考えられます。

したがって、今回行う施術の方向性としては、筋肉をほぐすというよりかは、**自律神経の調整(リラックスできるようにする)と、胃への施術(内臓マニピュレーション)**を行えば改善されるのではないかと考えられました。

では、実際の施術について詳しく見ていきましょう。


自律神経調整の鍼と内臓マニピュレーションで劇的改善:実際の施術と結果

上記で、Kさんの場合、自律神経と胃から来る首肩の張り感、背中の張り感だと推測できました。

そのため、自律神経の調整と胃へのマニピュレーションを行います。自律神経の調整には、今回眼精疲労もあるということも考慮し、側頭部や目の周りに鍼灸施術を行うことで改善させていきます。

実際のやり方ですが、Kさんにはベッドに仰向けになっていただき、その状態で目の周りや側頭部に鍼を刺していきます。だいたいの本数として20本程度です。当院で使う鍼はneoの0番鍼を使っており、鍼の中でも細い鍼で、ほとんど痛みはありません。Kさんご自身も鍼は初めてとのことでしたが、全く痛みはないそうで不思議がっていました。

鍼を刺した後に置鍼と言って、刺したまま10分程度鍼を置くのですが、ここからKさんに変化がありました。

全身が熱いです

そう言うと、額や身体全体からじんわり汗をかき始めました。この時Kさんが来たのは夏なので、当院ではもちろん冷房を効かせているのですが、それでも熱いとのことでした。この現象は、自律神経が乱れている人にはよくあることで、自律神経の緊張で血管が狭窄している人が鍼によってリラックスすると、血管が拡張し全身に血液が巡ることで起こります。

Kさんには、「良い効果ですのでそのまま様子を見ていきます。だるさとかあったら教えてくださいね」と伝えて経過を見ていましたが、体調は大丈夫とのことでした。10分経過し、効果はどうか確認するために鍼を抜いてベッドに座り、首肩の張り感を確認すると、さっきまでずっと張っていた首肩の張り感が全然なく、それどころか全身が軽くなっているとのことでした。

では次に、胃へのマニピュレーションです。 鍼で首肩の張り感が楽になったとはいえ、まだ背中の張り感が多少残っているのと、お腹の圧痛はまだあるので、胃への施術をしていきます。やり方は、ベッドに仰向けになっていただき、胃の動きをサポートしていく感じなのですが、細かい説明はかなり感覚的なものが大きいのでこの記事では省きます。だいたい時間にして5分しないぐらいです。

では、胃へのマニピュレーションを行い、どれくらい効果があったか確認します。 まずは仰向けになったまま胃の付近への圧痛ですが、さっきまで10だった圧痛が3程度まで減り、動きも確認すると、立った状態で背中を反らすと背中の張り感が強くなっていたのが、めちゃくちゃ楽に反れるようになっており、だいぶスッキリしているようでした。

Kさんからも、「こんなに変わるんですか?(笑)」と喜びの声をいただきました。

この時点で、首肩の張り感、背中の張り感に関する問診、検査、施術の全てで50分程度経過していたので、この日の施術は終了としました。Kさんにも経過を見たいのでまた近いうちに来てくださいと伝え、5日後に予約を取り、お帰りになられました。


根本原因にアプローチで長期的な改善へ:今回のまとめ

今回の記事は、首肩の張り感、背中の張り感でお悩みの20代男性Kさん(事務職、越谷市谷中町在住)の症例について書かせていただきました。

Kさんの首肩の張り感、背中の張り感は、問診、検査、施術の結果、生活環境やストレスのせいで自律神経が乱れ、内臓や筋肉に影響が出てしまって起こっている症状でした。

そのため、原因である自律神経にアプローチしたり、直接内臓にアプローチすることで、首肩の張り感、背中の張り感の改善を行うことができました。

もちろん、根本的には生活環境の問題もあるのですが、身体を施術することで症状の緩和、または生活の質が上がることは間違いありません。Kさんにも「ストレスや仕事はどうしようもないけれど、なるべく規則正しい生活をすることで症状が出にくくなる」ことを伝え、「分かりました!」と良い返事でお帰りになられました。

もし今回のKさんのような症状で悩んでいる方は、私たちがお力になれるかもしれません。ぜひ一度ご相談くださいね。