【施術事例】手のしびれと頚椎症。40代男性Tさん習志野市大久保在住

初めに


2023年12月27日、年の瀬も迫る頃、当院に頚椎症(けいついしょう)と手のしびれでお悩みのTさん(40代男性)がご来店されました。習志野市大久保にお住まいのTさんは、通勤中に当院「整体院ゆいまーる」の前を車で通るたびに、沖縄の方言で「助け合い」を意味する「ゆいまーる」という名前に、どこか惹かれていたそうです。

元々、整体やマッサージは好きで、体が辛くなると通っていたTさん。しかし、ご来店される2ヶ月ほど前から左手のしびれが気になり始め、次第にそのしびれが続くようになり、しまいには痛みまで伴うようになったとのこと。そんな時、ふと当院のことを思い出し、ご来店を決意されました。

今回の記事では、Tさんの頚椎症と手のしびれがどのように発症し、当院がどのように原因を探り、施術を行ったのかを詳しくご紹介します。もし、あなたも同じような症状で悩んでいるなら、この記事が解決へのヒントになるかもしれません。


接客業Tさんの悩み:手のしびれと慢性的な体の不調


Tさんは40代の男性で、お仕事は接客業。立ち仕事が多いそうです。プライベートでは、車とゴルフが趣味で、よくドライブに出かけたり、朝からゴルフを楽しんだりしているとのこと。

今回の主な悩みは、先述の通り**「左手のしびれ」と「痛み」**でした。ゴルフや仕事の影響か、以前から慢性的な腰痛や肩こりも感じていたそうですが、そちらは「気にはなるけど放置しがち」だったそうです。

Tさんはご来店当初、ご自身の症状が「頚椎症」だとはご存じありませんでした。しかし、その後の検査で、しびれの根本原因が首にあることが判明したため、ここではあらかじめ「頚椎症」という言葉を使わせていただきます。

しびれと痛みの詳細

ご来店される2ヶ月ほど前から、左手のしびれが気になり始めたTさん。最初はふとした時に感じる程度だったのが、時間が経つにつれてしびれが常に続くようになり、ついにはしびれと共に痛みまで出るようになってしまったそうです。

  • しびれが出ている場所: 左手首から先の手のひら全体
  • 痛みが出ている場所: 左手の中指から肘にかけて、ズキズキとした痛み。

Tさんご本人も、痛みがいつ、何がきっかけで出るのかが分からず、とても不安がっていました。ちなみに、まだ病院には行かれていないとのことでした。

Tさんのその他の情報

  • 既往歴: 10年ほど前から糖尿病と診断され、薬物治療中。細かい怪我はいくつか経験しているが、覚えていないとのこと。
  • 大きな怪我: 3年前にダンスを習っている時に左膝の靭帯を断裂し、手術を経験。それ以来、運動はしていないそうです。

これらの情報が、Tさんの体の状態を把握し、しびれの原因を特定する重要なヒントになります。


しびれの「出どころ」を探る:頚椎症と手のしびれの検査


手のしびれと一言で言っても、その原因は様々です。どの指にしびれが出るのか、神経が原因なのか、あるいは血行不良でしびれているように感じるのかなど、原因によって施術の方針が大きく変わります。

そこで、まずはTさんの手のしびれがどこから来ているのかを明確にするための検査を行いました。

1.手の神経のチェック

まず、手の神経である**「正中神経(せいちゅうしんけい)」**に問題がないかを調べるファレンテストを行いました。これは、手の甲同士をくっつけて、しびれが悪化するかどうかを見る検査です。

結果は陰性。正中神経に問題はないと判断できました。

2.胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)のチェック

次に、胸郭出口症候群という、首から腕にかけての神経や血管が圧迫されてしびれを引き起こす可能性を疑い、アドソンテストとライトテストという検査を行いました。

両テストともに陽性。この時点で、胸郭出口症候群の疑いがある、という結果が出ました。しかし、これだけで確定はできないため、さらに首の検査を進めました。

3.首の神経のチェック:頚椎症の可能性を探る

いよいよ首の検査です。ジャクソンテストスパーリングテストという、頚椎症の疑いがある場合に行う代表的な検査を実施しました。

Tさんに座ってもらい、上を向いた状態で、私がTさんのおでこを背骨の方向に優しく圧迫して、しびれや痛みが出ないかを確認します。スパーリングテストは、これに加えて首を少し捻りながら圧迫する検査です。

(※詳しい検査方法は、画像がないため説明が難しいのですが、気になる方はぜひ調べてみてください。)

結果は、ジャクソンテスト、スパーリングテストともに陽性でした。

これは、胸郭出口症候群の検査でも陽性、さらにジャクソンテストとスパーリングテストでも陽性になったことから、Tさんの手のしびれの根本原因が「首」にあることが強く示唆されました。つまり、首が原因で胸郭の部分にも影響が出て、最終的に手のしびれにつながっている、ということです。

そして、ジャクソンテストやスパーリングテストは頚椎症の検査でもあります。これらの検査が陽性になったということは、Tさんが頚椎症である可能性が高い(※診断は医師しかできないため、「疑いがある」としか言えません)ことを意味します。

問診と検査のポイントまとめ

  • 40代男性、接客業、ゴルフとドライブが趣味
  • 左手のしびれと痛みが主な悩み(特に中指から肘にかけてズキズキと痛む)
  • 痛みとシビレのタイミングは不明
  • 糖尿病、左膝靭帯断裂の既往歴あり
  • ジャクソンテストとスパーリングテストが陽性(首に原因の可能性大)

これらの結果から、今回のTさんの手のしびれは、手首や胸、肩だけが原因ではなく、首(頚椎)に根本的な問題があることが明らかになりました。そのため、施術の方向性としては、頚椎症の症状を和らげ、首への負担を減らすことを中心に進めることになりました。

また、慢性的な腰痛があることや、お腹に少し張りがあることも気になったため、首だけでなく腰への施術も合わせて行うのが良いと考えました。


施術と劇的な変化:首の負担を減らす「意外な場所」へのアプローチ


問診と検査の結果、Tさんの手のしびれの主な原因が首(頚椎症)にあることがわかりました。しかし、当院では単に首だけを施術するのではなく、「なぜ首に負担がかかりやすくなっているのか?」という根本原因を探り、全身のバランスを整えることを重視します。

今回のTさんの場合、ゴルフやドライブを頻繁にするという趣味と、慢性的な腰痛があるという情報から、ある仮説を立てました。ドライブもゴルフも、どちらも座ったり、前かがみになったりする姿勢が多く、股関節が常に曲がった状態になりがちです。そのため、**股関節の前面にある筋肉「腸腰筋(ちょうようきん)」**が硬くなっているのではないか、と考えたのです。

実際にお腹や腸腰筋を触ってみると、驚くほど硬く、触ると嫌な感じがあるとのことでした。そこで、一番の原因は頚椎症ではありますが、まず最初に首ではなく、股関節の施術から始めることにしました。

1.股関節の調整(約15分)

仰向けになってもらい、股関節前面の硬くなった腸腰筋を丁寧にほぐしていくような施術を行いました。時間をかけて、ゆっくりと、しかし確実にアプローチしていきます。

その結果、施術後すぐに股関節の曲げ伸ばしが非常に楽になりました。

2.首の調整(約10分)

股関節の調整だけではまだ不十分です。次に、同じく仰向けの状態で首の施術を行いました。狙いは、首の後ろにある「後頭下筋(こうとうかきん)」という、頭を支える上で重要な筋肉の緊張をほぐすことです。こちらも、ゆっくりと丁寧に、約10分かけて行いました。

ここまでで、問診と検査を含めると約40分程度の時間になりました。

施術後の変化を確認!

ここまでで、Tさんの体にどのような変化があったのでしょうか?

ジャクソンテストやスパーリングテストはまだ陽性反応が出ますが、驚くべき変化がありました。施術前は**「5」の力で押すと陽性だったのが、「8」の力で押してようやく陽性になる**、という状態まで改善していたのです。これは、先ほどより首に負担をかけても大丈夫になった、つまり首への負担が軽減された証拠です。

最後に、慢性的な腰痛があるTさんの腰を、約10分かけて揉みほぐし、この日の施術は終了しました。Tさんには、5日後にまた様子を見たいのでご来店くださいと伝え、次回の予約を取ってお帰りになられました。


頚椎症と手のしびれ:4回目の施術で得られた「喜びの声」


初回の施術から少し期間が飛びますが、ここでは4回目の施術と、それまでの経過についてご紹介します。

結論から言うと、**Tさんの手のしびれと痛みは、この時点でほぼなくなっていました!**初回の施術から4回目の施術まで約3週間かかりましたが、回数を重ねるにつれて、しびれが出る頻度が明らかに減っていったそうです。

そして、4回目の施術時には、なんと1週間程度、しびれが全く出ていないとのこと。Tさんは大変喜んでいらっしゃいました。

しかし、ジャクソンテストやスパーリングテストは相変わらず陽性反応が出ます。これは、頚椎症という状態自体はまだ残っていることを意味します。ですが、初回と比べて、首への圧迫の力をかなり強めても大丈夫になっていました。

今回も4回目の施術として、首に負担がかかりにくくなるような全身の調整を行い、終了となりました。手のしびれが改善し、Tさんも大変喜んでいましたが、頚椎症自体は加齢とともに進行する可能性があるため、定期的なメンテナンスが重要であることをお伝えしました。現在では、1〜2ヶ月に1回程度のペースで定期的にご来店いただいています。

正直なところ、頚椎症は加齢とともに進行する可能性がありますし、症状が非常にひどくなれば外科的な治療が必要になることもあります。しかし、首に負担がかかりにくい状態を維持できれば、しびれや痛みといった症状を大きく緩和することは可能なのです。


当院ができる頚椎症へのアプローチ:手術を避けたい方へ


もし、頚椎症と診断された、またはその疑いがある方がいらっしゃったら、「手術した方がいいのか、そうではないのか」という見極めが非常に重要になります。

簡単な判断基準としては、「日常生活に支障があるかどうか」です。症状が非常にひどく、日常生活を送るのが困難な場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な処置を受けるべきだと考えています。

しかし、「そこまでではない」「手術まではいかないと言われた」「経過観察中」という方であれば、当院での施術が症状の改善や予防に役立つ可能性があります。今回の習志野市大久保にお住まいのTさんも、頚椎症であることはほぼ確実でしたが、症状の緩和を実現することができました。

では、当院が頚椎症に対してどのようなアプローチを行うのか?これは人によって異なりますが、最も大切なのは「首だけに負担がかかっている状態」から抜け出すことです。

どういうことかと思われるかもしれません。今回のTさんのケースでは、慢性的な腰痛と股関節前面の筋肉の硬さがありました。これは、腰や股関節の機能が低下しているために、その分を首が頑張って支えている、つまり首に過度な負担が集中していることが考えられます。

だからこそ、最初の施術で首ではなく、まず股関節の筋肉をほぐし、股関節と腰への負担を減らすことから始めたのです。記事では全てを書ききれませんでしたが、2回目、3回目の施術でも、首だけでなく、体全体が本来の機能をしっかり果たせるように調整していった結果、症状の緩和が実現しました。

つまり、重要なのは首だけを見るのではなく、「首に負担を集中させてしまっている根本的な原因」を取り除くことだと考えます。

当院では、そのためのアプローチ方法として、以下のような専門的な技術を組み合わせて施術を行います。

  • 内臓マニピュレーション(内臓調整): 内臓の不調が、関連する筋肉や神経を介して首や腰の痛みを引き起こすことがあります。内臓の動きを改善し、適切な位置に戻すことで、体の連動性を高めます。
  • 筋膜リリース: 筋肉を覆う筋膜の硬さが、関節の動きを制限し、特定の部位に負担を集中させることがあります。硬くなった筋膜を丁寧にリリースすることで、筋肉の柔軟性を回復させ、負担を分散させます。
  • 関節モビライゼーション: 関節のわずかなズレや動きの悪さを修正し、関節本来のスムーズな動きを取り戻す手技です。これは、首だけでなく、体全体の関節の機能改善に役立ちます。

船橋市西船橋からあなたへのメッセージ


今回は、頚椎症と手のしびれに悩む40代男性、習志野市大久保在住のTさんの症例をご紹介しました。

世の中には、頚椎症や手のしびれだけでなく、様々な体の不調で困っている方がたくさんいらっしゃいます。医学や整体の世界に「100%の正解」というものは存在しません。日々新しい情報や治療法、知識が更新され、これまでの常識が覆されることもあります。

船橋市西船橋にある当「整体院ゆいまーる」は小さなお店ですが、皆様のお力になれるよう、日々学び、新しい知識や技術を取り入れています。まずは西船橋、そしてゆくゆくは全国のお悩みを持つ方々の手助けをしたいと心から願っています。

もし、頚椎症や手のしびれで悩んでいるなら、一人で抱え込まずに、ぜひ一度私たちにご相談ください。