帝王切開後のしこりと痛みで夜中に目が覚める…船橋市西船の30代女性が取り戻した安眠と快適な毎日
始めに
2025年3月12日、春の陽気に包まれる中、当院に帝王切開後のしこりと痛みに悩む30代の女性、Oさんがご来店されました。ご自宅と当院がとても近い距離にあり、以前から「いつか行ってみたいな」と思っていたそうです。今回、家事の合間にまとまった時間ができたのをきっかけに、ようやくご来店いただけました。
Oさんのように、出産を経験されたお母さんの中には、帝王切開の傷跡が原因で様々な不調を感じる方が少なくありません。今回は、Oさんがどのようにしてその痛みと不調を乗り越え、快適な毎日を取り戻していったのかを詳しくご紹介します。
帝王切開後のしこりに悩むOさん:育児と不調のはざまで
Oさんは30代の女性で、現在は育児休暇中で、お仕事はお休みされています。
一番の悩みは、帝王切開後にできたしこりの痛みでした。今年の1月に第一子を出産された際、鼠径部(足の付け根)に沿って帝王切開手術を受けたそうです。その際、左下腹部で糸を止めたと説明を受け、「溶ける糸だから体内に吸収されます」と言われていたとのこと。
しかし、半年が経過した今でも、その部分がしこりになって残っており、時々痛むこともあるそうです。ひどい時には、夜中に痛みで目が覚めてしまうこともあると、かなりお辛そうでした。実際に触ってみると、左下腹部に3cmほどのコリコリとしたしこりが確認できました。
しこりの痛み以外にも、Oさんは以下のような不調を抱えていました。
- 不眠
- 肩こり
- 全身の倦怠感
- 疲れやすい(易疲労感)
また、Oさんの既往歴として、12年前に過敏性腸症候群と診断されたこと、6年前に右の半月板を損傷した経験があることもわかりました。現在、不安や緊張を和らげたり、入眠の手助けをしてくれるロラゼパムとデエビゴという薬を服用されているそうです。現在は運動習慣はなく、お酒も飲まないとのこと。ストレスは「ややあり」と感じているようでした。
体の声を聴く検査:しこりの痛みだけでなく全身をチェック
Oさんの主な悩みはしこりの痛みでしたが、体の状態を全体的に把握するため、以下の項目を検査していきました。
1.背骨の柔軟性(脊柱の粘弾性)
背骨(脊柱)の周りの筋肉や関節が、どれくらい柔らかく動くか、あるいは硬くなってしまっているかを確認します。
- 両側のT3・T4(胸の背骨)あたりが硬い
- 両側のL3(腰の背骨)あたりが硬い
2.骨盤の歪み
骨盤が歪んでいないかを確認します。
- 右の恥骨(ちこつ)が下方にズレている
3.お腹の張り感
お腹の各部位を触って、硬さや圧痛(押した時の痛み)がないかを確認します。
- みぞおち(胃のあたり)に硬さと圧痛がある
- 左の下腹部に、明らかな3cmほどのしこり
これらの検査結果を踏まえて、Oさんの体の状態と、しこりの痛みの原因を推測していきます。
推測:しこりの痛みと全身の不調はつながっていた
問診と検査の結果から、Oさんの体の状態について以下の推測ができました。
Oさんの主な悩みは帝王切開後のしこりの痛みですが、それ以外にも不眠、肩こり、全身の倦怠感、疲れやすさといった症状を抱えています。さらに、過去に過敏性腸症候群の診断を受けていることからも、Oさんの体は自律神経や内臓の調子が乱れやすい状態にあると考えられます。
特に、検査でみぞおちの部分に硬さや圧痛が見られたことは重要です。みぞおちのあたりには、「太陽神経叢(たいようしんけいそう)」という、自律神経の中でも特にストレスに反応しやすい部分があります。ストレスを感じると、この太陽神経叢が緊張し、お腹が硬くなったり、痛みを感じたりすることがよくあります。
つまり、Oさんのしこりの痛みはもちろんなのですが、元々骨盤の歪みやストレス、出産という環境的要因によって自律神経が乱れやすい状態にあったと考えられます。そのため、しこりだけではなく、自律神経のバランスを整える施術も合わせて行うことで、体全体を良い状態に導けると考えました。
帝王切開後のしこりと痛み:その正体と癒着(ゆちゃく)
Oさんの体の状態は把握できましたが、しこり自体は一体何が原因で、どうなっているのでしょうか?
簡単に言うと、手術などで切れたり傷ついたりした組織が再生する際、本来は別々に動くはずの組織同士がくっついてしまうことがあります。これを「癒着(ゆちゃく)」と呼びます。
帝王切開の場合、手術で使った糸や、その周辺の皮膚、筋肉などの細胞が、傷を治そうとする過程でごちゃ混ぜに絡み合い、それが硬い塊(しこり)として残ってしまいます。組織が癒着して固まってしまうと、その部分の細胞に酸素や栄養がうまく行き渡らず、血流も悪くなるため、時々痛んでしまうという現象が起こるのです。
この「組織の癒着」は、帝王切開だけでなく、体のどこかを手術した方であれば、誰にでも起こりうる現象です。手術後にしこりや痛みがずっと続いているという方は、組織の癒着が起きている可能性が高いと言えます。
施術と驚きの結果:しこりが小さく、体もスッキリ!
それでは、いよいよOさんの施術に入ります。主な悩みはしこりの痛みですが、まずはOさんの体を全体的に整えることから始めました。
1.全身の調整(約35分)
- まず、検査で判明した右にズレていた恥骨を、正しい位置に修正しました。
- 次に、硬さが見られたT3・T4(胸の背骨)とL3(腰の背骨)のあたりを、優しく揉みほぐしていきました。
ここまでで、問診と検査を含めて約35分程度が経過しました。体の土台となる部分を整えることで、次のしこりの施術の効果を高めます。
2.しこりへの特殊な施術(約10分)
体の準備が整ったところで、いよいよ帝王切開後のしこりへの施術です。施術方法は少し特殊なので文字で詳しく書くのは難しいのですが、非常に優しい力で、癒着して固まっている組織をゆっくりと剥がしていくような手技を行います。時間をかけて、丁寧に約10分ほど施術しました。
これで、この日の施術は終了です。
施術後の変化にOさんもびっくり!
施術後、Oさんの体にどのような変化があったのでしょうか?
Oさんは「全体的に体が楽になり、とても眠くなりました」と、リラックスしたご様子でした。
そして、一番の驚きは、3cmほどあったしこりが、明らかに小さくなり、2cmほどになっていたことです。
Oさんもその変化に気づき、「こんなに変わるんですか!?」と、目を丸くして驚いていました。
その後の経過:痛みからの解放と体調改善
初回の施術から、Oさんの体には嬉しい変化が続いていきました。
- 2回目(3月28日): 「昼寝しなくても動けるようになった」とのこと。以前は疲労感が強く、昼間に仮眠を取ることもあったそうですが、それが不要になったことに喜びを感じていました。
- 3回目(4月20日): 「体全体が楽になった」と実感されており、しこりの大きさも「2cmあるかないか」というほどに縮小していました。
- 4回目(5月16日): しこりの大きさは1cmと少しになり、痛みは全くなくなったという素晴らしい結果になりました。
まとめ:諦めないで!帝王切開後の不調は改善できる
今回は、帝王切開後のしこりと痛みで悩む30代女性、船橋市西船在住のOさんの症例についてご紹介しました。
結果として、しこり自体はまだ残っているものの、その大きさは明らかに小さくなり、半年間悩まされていた痛みも完全に解消することができました。
Oさんには、子育てや家庭のことなど、様々な環境的要因で自律神経が乱れたり、体が辛くなったりすることもあると思いますので、「たまに来ていただけると、また体がスッキリしますよ」とお伝えし、お帰りいただきました。
もしOさんと同じように、帝王切開後のしこりや痛み、あるいはそれに伴う不眠や倦怠感などの不調で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、私たちがお力になれるかもしれません。
一人で抱え込まずに、ぜひ一度ご相談ください。あなたの不調に真摯に向き合い、快適な毎日を取り戻すお手伝いをさせていただきます。