膝痛でお悩みの50代女性Sさん(デスクワーク・船橋市印内在住)の整体施術事例

始めに

こんにちは、整体院ゆいまーるです。今回は膝の痛みでお悩みの50代女性Sさんの施術事例を詳しくご紹介します。同じように膝痛に苦しんでいる方の参考になれば幸いです。


来店の経緯

2024年7月21日、50代女性のSさんが当院に来店されました。Sさんは船橋市印内在住のデスクワーク従事者で、1〜2ヶ月前から膝に痛みを感じはじめました。近隣の整骨院で数回治療を受けたものの、症状の改善が見られず、インターネットで当院を検索されたとのことです。

当院の症例ブログを見て「自分と似た症例がある」と感じ、ここなら改善が期待できるのではと来院を決められました。


Sさんの膝痛:問診内容

まず問診を行いました。

  • 年齢・性別:50代女性
  • 職業:デスクワーク(パソコン使用時間は1日約12時間)
  • 主訴:膝の痛み(特に階段の昇降時や膝を深く曲げる動作で強い痛みが出る)
  • 日常生活の困難:膝が完全に曲がらないため、和室の座敷での食事が難しい
  • 過去の治療歴:整骨院やマッサージに通ったが、効果は一時的で痛みはすぐに戻ってしまう
  • 既往歴:3年前に左右とも五十肩(肩関節周囲炎)を経験、現在も肩が完全に上がらない
  • 生活習慣:運動習慣はなし。晩酌は毎日、月に1〜2回は居酒屋で友人と飲む。
  • 睡眠:深夜に目が覚めることがあり、睡眠の質に悩んでいる
  • ストレス:仕事上のストレスは中程度あり、姿勢の悪さや目の疲れも自覚している

このように全身の状態にも課題を抱えておられました。


体の検査

膝痛の原因を探るため、膝そのものだけでなく関連する関節や筋肉の検査を行いました。

関節の役割と全身のバランス

人体の関節はそれぞれ役割が決まっており、正常に機能することで体の調子が整い、痛みが出にくくなります。膝は主に「安定」を担う関節のため、単独で大きな問題が起きることは稀です。周囲の関節や筋肉の状態が悪いと、膝に過剰な負担がかかり痛みを生じます。

Sさんの場合、膝に関連する以下の関節に着目して検査を進めました。

  • 足首
  • 股関節

足首の検査

足首の動きを詳しく見ていくと、

  • つま先を上げる(背屈)が非常に硬く、逆につま先を下げる(底屈)の方が動きやすい状態でした。
  • 足首が内側に捻れており、足の外側を多く使う偏った歩き方になっています。実際に靴底の外側がすり減っていました。

通常、膝下と足首が直角(90度)になる状態で動きを検査しますが、90度の時点でふくらはぎに強い硬さを感じました。これは筋膜の緊張が強いことを示します。

股関節の検査

次に股関節の柔軟性や機能をチェック。

以下の動作を行いました。

  • 足を組むような姿勢
  • 足を胸に引きつける姿勢
  • 左右の肩に向かって足を曲げる動作
  • 足を外側から内側に回す動作

検査の結果、

  • お尻の筋肉の柔軟性低下と筋力不足
  • 腰部のインナーマッスルの異常緊張
  • 腰と骨盤から伸びる神経の機能低下

が確認されました。


問診・検査のまとめ

ここまでの問診と検査でわかったことを整理します。

項目内容
性別・年齢50代女性
職業デスクワーカー(1日12時間程度のパソコン作業)
主訴階段昇降や膝を曲げる動作時の膝痛
過去の疾患3年前に左右五十肩、現在も肩可動制限あり
運動歴なし
生活習慣毎日晩酌、月1~2回の居酒屋巡り
睡眠深夜に2回起きることあり
ストレス中程度あり
足首の状態足裏外側荷重、つま先背屈制限、足首の捻れ
股関節の状態筋肉の柔軟性低下、筋力不足、腰部の異常緊張と神経機能低下

膝痛の考えられる原因

Sさんの膝痛は、膝そのものの損傷だけでなく、全身の関節や筋肉のバランスの乱れから生じていると考えられます。

膝の役割と周辺関節の影響

膝は「安定」を保つ役割を持つため、足首や股関節の機能が低下すると代償動作として膝に過剰な負担がかかり、痛みや炎症を引き起こします。

足首の問題

足首の背屈制限は、足裏から背中を通り頭まで伸びる筋膜の緊張によるものです。この筋膜の緊張は全身の硬さを招き、腰や膝にも悪影響を及ぼします。

また、足首の内返し捻れにより足裏の外側に体重が偏り、ガニ股歩行となって膝が内側に寄るため、膝関節の変形や痛みが進むリスクがあります。

Sさんの場合、明確な変形は見られませんでしたが、変形性膝関節症の初期段階の可能性も否定できません。

股関節の問題

股関節の柔軟性低下と筋力不足は、膝や腰に大きな負担をかけます。股関節が硬いとその動きを代償するために膝や腰が過剰に動き、痛みを引き起こします。

さらに、腰や骨盤の神経機能低下も膝に悪影響を及ぼしています。膝への神経支配は腰骨盤から出ているため、神経の機能低下は筋肉の働きや血液循環を妨げ、膝関節の機能低下を招きます。


実際の施術内容と結果

Sさんには膝だけでなく、股関節、足首、腰骨盤周辺の神経機能の回復と筋肉の柔軟性向上を目指した施術を行いました。

1. 腰・骨盤周りの筋肉の緊張緩和

まずは神経の働きを妨げている腰・骨盤周囲の筋肉の緊張を和らげました。これにより股関節の動きが良くなり、膝の負担が軽減されます。

Sさんも「こんなに硬いとは思わなかったけど、とても気持ちいい」とおっしゃっていました。

2. 股関節周囲のインナーマッスルケア

腰から伸びる神経や血管の通り道を阻害するお尻のインナーマッスルを、強く刺激しすぎずゆっくりと緩めました。強い刺激は筋肉の逆緊張を生み、痛みの悪化に繋がるため丁寧に施術しています。

3. 足首の施術と矯正

足首の内返し筋肉群を緩めた後、足首の関節矯正を行いました。

足首には「距骨」という骨があり、これが正常に動くことが非常に重要です。Sさんの足首は硬直し、かかとの骨が外側に倒れている状態でした。足首のグラグラ感を補正するために固めていたため、柔軟性が失われていました。

つま先が上がりにくく歩行時につまずくことも多かったため、矯正後はつま先が上がりやすくなり、歩行時の不安感も減ったと実感されました。

4. 膝の曲げ伸ばしの可動域改善

施術前は約90度しか曲がらなかった膝の曲げ角度が、施術後は+45度改善し、135度ほどまで曲げられるようになりました。

「正座にはまだ少し痛みがあるけど、これなら和室の座敷での食事もできそう」と喜ばれていました。


施術の経過と今後の課題

Sさんには週1回のペースで通っていただき、3ヶ月で膝の痛みはほぼ消失しました。膝の可動域もほぼ正常範囲まで回復し、日常生活の支障が大幅に改善されました。

また、

  • 姿勢の改善
  • 睡眠の質の向上
  • 肩の可動域改善

など、全身的な健康状態の改善も見られています。

ただし、足首の内返しは生活習慣の影響が強いため、今後はセルフケアとして足首周囲のストレッチや筋トレを続けること、飲酒量のコントロールなど生活習慣の見直しも重要となります。


まとめ

50代女性Sさんの膝痛は、

  • 足首の背屈制限と内返し捻れ
  • 股関節の柔軟性低下と筋力不足
  • 腰骨盤の筋肉緊張と神経機能低下

これら複合的な問題が絡み合った結果、膝に過剰な負担がかかっていました。

当院では全身のバランスを整える施術を行い、3ヶ月間の通院で痛みと動作制限の改善に成功しました。

同じような膝痛でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。膝だけでなく体全体の状態を検査し、根本からの改善を目指します。