うつ病(鬱病)でお悩みの40代女性Iさん(管理職・葛飾区柴又在住)の整体施術事例

はじめに

2024年8月6日、葛飾区柴又から40代の女性Iさんが、約10か月ぶりに整体院ゆいまーるへご来店されました。

Iさんは以前から、自律神経の乱れや便秘・下痢、肩こり、腰痛などの不調に悩まされており、当院に定期的に通っていただいておりました。しかし、施術を重ねるごとに症状が改善され、しばらくご来店がない状態が続いていたのです。

そんなIさんから久しぶりにLINEでご連絡をいただき、「全身の疲労感が取れない」とのことで施術を希望されました。今回の記事では、このIさんの症例を通して、うつ病と身体の関係、自律神経へのアプローチ、そして当院での具体的な施術内容を詳しくご紹介いたします。


問診編:Iさんの現在の状態と背景

基本情報

  • 年齢・性別:40代女性
  • 職業:企業の管理職(PC作業中心・長時間の座位姿勢)
  • 現在の主訴:全身の倦怠感、疲労感
  • その他の症状:肩こり、眼精疲労、冷え性、軟便・下痢傾向

Iさんは、今回の施術予約時には「うつ病で悩んでいる」というよりも、「とにかく全身がだるくて疲れが取れない」とのことでご相談くださいました。しかし問診を進めていく中で、半年前に医師から「うつ病」と診断されていたことが判明しました。

現在は仕事を休んだり出勤したりの繰り返しで、心身ともに安定しない日々が続いているとのことです。睡眠は5時間前後で夢を見ることが多く、起きたときに疲れが残っている感覚があるそうです。

その他の生活習慣としては、運動習慣はなく、喫煙あり。アルコールは週1回程度。3年前には腰椎ヘルニアを経験しており、その後時間経過とともに自然に回復しました。


身体の検査編:筋力と腹圧から読み解く「不調のサイン」

Iさんの主訴は「全身倦怠感」ですが、このような症状に対して明確な徒手検査が存在するわけではありません。そこで今回は、「筋肉の機能」「腹圧(体幹の内圧)」に着目して身体の状態を確認しました。

胸鎖乳突筋(首)の筋力検査

ベッドに仰向けで首を右に向けた状態から持ち上げてもらい、施術者が抵抗を加えて筋力を評価。

  • 結果:左右ともに筋力レベルは5段階中1。非常に低下。

腸腰筋(腰・股関節)の筋力検査

仰向けで股関節と膝関節を90度に曲げて軽く開いた状態から、抵抗を加えて筋力を確認。

  • 結果:左右ともに筋力レベルは5段階中3。中程度の低下。

腹圧(お腹の張りと圧痛)検査

胸、みぞおち、へそ周辺、下腹部に軽い圧を加え、硬さや圧痛を確認。

  • 胸郭:正常
  • みぞおち:硬さ・圧痛あり
  • へそ周り:一応正常
  • 下腹部:圧痛あり

検査結果の分析と施術方針

問診・検査の結果を総合すると、以下のようなことが見えてきました。

問診からの所見

  • 半年前にうつ病と診断
  • 睡眠の質の低下(夢が多く疲労が残る)
  • ストレスレベルが高い
  • 運動不足、喫煙習慣

検査からの所見

  • 首(胸鎖乳突筋)の筋力が極端に低下
  • 腰(腸腰筋)の筋力も中等度に低下
  • みぞおち・下腹部に圧痛あり

自律神経の乱れが強く疑われる

特に注目すべきなのが「胸鎖乳突筋の筋力低下」と「みぞおちの圧痛」です。
胸鎖乳突筋は脳神経のひとつである副神経(第11脳神経)によって支配されており、この神経は自律神経の一部でもあります。自律神経が乱れると、筋肉の働きにも影響が出るのです。

さらに、みぞおちには「太陽神経叢(たいようしんけいそう)」と呼ばれる自律神経の集まりが存在します。ここが緊張すると、胃や横隔膜の働きが低下し、消化器の不調や呼吸の浅さ、動悸などの症状につながることがあります。

腸腰筋の筋力低下や下腹部の圧痛も、腹腔内の血流・神経機能の低下と関連している可能性があります。これらを踏まえ、施術の方針を以下のように立てました。


施術内容とその結果

今回の施術の柱は、以下の2点です。

  1. 自律神経の調整
  2. みぞおちの過緊張(腹圧)をゆるめる

自律神経の調整:頭蓋と仙骨へのアプローチ

頭蓋骨と仙骨は、脳脊髄液や神経の流れに密接に関係しており、自律神経の調整には非常に重要な部位です。

  • 頭蓋施術(約10分):顔や頭の歪みを調整し、神経伝達を整える
  • 仙骨施術(約5分):仙骨の動きをサポートし、脳脊髄液の流れを整える

この段階で、再度筋力や圧痛のチェックを行いました。

施術後の変化

  • 胸鎖乳突筋:筋力レベルが1 → 4に上昇
  • 腸腰筋:3 → 5に改善
  • みぞおちの圧痛が軽減、下腹部の圧痛も緩和

最後に:幽門部へのピンポイント施術

さらに、みぞおちを丁寧に触診していくと、胃の幽門部と思われる部位に強い圧痛がありました。この部位は自律神経の乱れや胃のストレスに影響されやすく、狭窄が生じやすい部分です。

5分ほどかけて丁寧にほぐしていくと…

  • 胸鎖乳突筋の筋力:最終的に5段階中「5」に回復
  • 呼吸がしやすくなり、胸がスッと軽くなる
  • 視界が明るくなった感覚
  • 「体がひとまわり軽くなった」などの感想もいただきました

うつ病とうまく向き合うために

うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の減少によって起こるとされる病気です。日本人の20人に1人が一度は経験するといわれるほど、身近なものになっています。

Iさんのように、普段は明るく前向きな性格の方でも、長期にわたるストレスや過度な責任を抱えることでうつ病を発症してしまうケースは少なくありません。

当院では「うつ病そのものを治す」ということはできませんが、自律神経を整えることで、うつ病に伴う身体症状――倦怠感、不眠、冷え、内臓機能の低下など―ーを改善へ導くサポートが可能です。


最後に

今回は「うつ病による全身倦怠感でお悩みの40代女性Iさん(管理職・葛飾区柴又在住)」の施術事例をご紹介しました。

うつ病によって心身ともにバランスを崩している方に対し、身体からのアプローチで「整う」きっかけを提供することが私たちの役割だと考えています。

もしこの記事を読んでいるあなたや、あなたのご家族・ご友人が同じような症状でお悩みであれば、ぜひ一度当院にご相談ください。きっと何かが変わる一歩になるはずです。

お気軽にご予約・お問い合わせお待ちしております^^