左胸の痛みでお悩みの30代男性Aさんーデスクワークー船橋市本中山在住
初めに
2024年8月18日、左胸の違和感でお悩みの本中山在住30代男性Aさんがご来店されました。
来店された経緯として来店の3日前に息を吸うと左胸が痛い感じがして、気のせいかなと思っていたら痛みは楽になる感じはあるものの、
違和感がずっと取れなくて、病院なのか、整体とかなのかネットで調べていると当店のHPにたどり着き良さそうと思いご来店されたとの事です。
では今回の記事で書いて行く内容は以下の通りです。
・主訴の左胸の痛みとAさんについて 問診編
・身体の検査編
・問診検査から考えられること 施術の方向性
・施術と結果
・他の可能性 注意事項
・今回のまとめ
まずは問診編から書いて行きたいと思います。
左胸の痛みとAさんについて
性別年齢は30代男性、仕事はデスクワークをしており基本的にはずっと座っていることが多いとの事。
主訴は左胸の痛み、大体の位置で言うと左乳首の指3本分下、そこから指2本分右ぐらいが痛むとの事でした。
痛めたきっかけはあまり思い当たらず仕事中にふと気づくと左胸が痛くなっていたそうです。
痛い動作として息を最大まで吸おうとすると痛みが強く出て吸いにくくなるとの事。
他に肩や首を動かして痛みが出るような事はないそうです。
運動は週1、2で水泳を2時間ほど、アルコールは月に1回職場の人と飲みに行く程度。
喫煙は無し。
ストレスはそこまで強くないが一応ある程度。
他に気になる症状として座っている際の足の張り感、背中の張り感、肩こり、眼精疲労、下痢、頭痛などがありました。
健康診断で引っかかっているのはコレステロールが少し高め、少し肥満気味。
動悸や不整脈などはなし。
既往歴として大きなけがや手術などは名が2024年の1月にノロウイルスにかかり1週間程度下痢や腹痛が酷かった、
3月には風邪をひき肺炎気味になり体調がしばらくすぐれなかったなどがあったそうです。
他にアレルギーなどは無し。
以上の事が問診で聞けました。
身体の検査編
では次に左胸の痛みついて関係のありそうな身体の検査をしていきます。
左胸の痛みの場所は大体左乳首の指3本分下、そこから指2本分右ぐらいと問診の中で聞けました。
解剖学的に言うと肋骨の5,6番目あたりになります。
問診の時点で首や肩を動かしても痛くないという事と、吸うときに胸が痛くなるという事で今回検査する場所は肋骨と、胸郭の粘弾性を見ていきます。
まず肋骨の検査で肋骨の何を見ていくのかという感じなんですが当院の模型で説明します。(いいフリー素材がなかった為)
こちらの画像をご覧ください。
こちら当店の模型になるのですが肋骨は軟骨と硬いしっかりと硬い骨があります。
指をさしている箇所が軟骨であり、名前は肋軟骨と言います。
そして写真の胸の真ん中にあるのが胸骨と呼ばれる骨になり、胸骨と肋軟骨、肋骨が写真のように合わさり、心臓や肺、横隔膜の動きに合わせて動くことで深い呼吸が出来るようになっています。
それぞれを胸骨と肋軟骨をつなぐ箇所を肋骨肋軟骨接合部、肋軟骨と肋骨をつなぐ箇所を胸肋関節部といいます。
この関節に何らかの障害が生じることで痛みや息苦しいなどの症状を感じることがあります。
問診の中でAさんは深く息を吸うときに痛くなるという事だったのでこの関節が正常に動いているのかの検査をします。
やり方はAさんにベットに座って頂き術者(私)が後ろから5,6番目の肋骨肋軟骨接合部、胸肋関節部を蝕知し、蝕知している状態で呼吸を吸ってもらいしっかりと関節が動いているか診ていきます。
結果として6番目の肋骨肋軟骨接合部が上手く機能していない事が分かりました。
では次に粘弾性を見ていきます。
粘弾性とは要は押した組織に弾力性があるのかどうかを見ていきための検査となり、弾力性がある=正常という事になります。
詳しくはこちらの記事を見てもらえると分かりやすいと思います。
上記の記事でも書いていますがやり方だけ説明すると、Aさんにベットに仰向けになって頂き私が胸の前、みぞおち、へそまわり、下腹部の順番で押していくという感じです。
結果として胸前のが凄い硬い感じで押すと苦しい感じ、みぞおちは押すと飛び上がるほど痛い感じ、へそ周りは硬いが痛みはそんなにない、下腹部は柔らかいという事が分かりました。
これで検査編は終了しまとめ、そこから何が推測出来、どのような施術をしていけばいいのかを考えていきます。
問診検査から考えられること 施術の方向性
まずは問診検査でそれぞれ分かった事をまとめていきます。
問診で分かった事
・性別年齢は30代男性、デスクワークで長時間座っている
・主訴は左胸の痛み、呼吸をすると痛い、痛い位置は左乳首の指三本下、そこから指二本分右
・息を深く吸おうとすると痛みが出る
・アルコールは月に1回程度
・他に気になる症状は足の張り感、背中の張り感、肩こり、眼精疲労、下痢、頭痛
・コレステロール高め、肥満気味
・3月にのノロウイルスで1週間下痢、腹痛あり
・3月に風邪で肺炎気味
検査編
・左の6番目の肋骨が上手く機能していない
・粘弾性 胸郭は硬い感じと苦しい感じ みぞおちは飛び上がるほど痛い へそ周りは硬さあり 下腹部は柔らかい
という結果になりました。
ではここから考えられることを書いて行くとまずAさん3月にノロウイルスと風邪で肺炎気味になっているという事がとてもポイントになってきます。
先に胸郭のイラストをご覧ください。
胸郭のイラスト正面
胸郭のイラスト側面
上記のイラストは胸郭のイラストなんですが胸郭とは肋骨、胸骨、胸椎で構成された部位になり、この胸郭の中に主に肺、気管支、心臓などが入っており身体の循環を担っています。
今回のAさんの場合、まずは風邪のせいで肺炎気味になったと言う事からおそらく当時胸郭内の気管支や肺に炎症が起きている事が考えられます。
問診の中で聞けなかったんですが実際に施術中3月の事を聞いてみると咳も酷かったようです。
では肺や気管支に炎症が起きると何が起きるかというと気管支が狭くなったり、肺が正常通り膨らめなくなったりします。
正常通りの機能が出来なくなるという事ですね。
その状態が長く続くと臓器を覆っている胸郭も胸腔内に引っ張られるようになり肋骨に変性が生じることがあります。
胸郭というものは正常であれば弾力性があり、押すと柔らかい感じがあり、肺や心臓の動きによって膨らんだり縮んだりするのですが変性が生じると弾力性が無くなり障害が生じやすくなります。
なので今回のAさんの場合考えられるのが3月頃に肺炎気味になり、気管支や肺に炎症が生じ気管支は狭くなり、肺も正常通りに機能できなく(膨らめなく)なり肺や気管支に引っ張られるように胸骨、肋骨が変性し、
特に検査で引っかかった6番目の肋骨が障害されて息を吸うときに左胸に痛みが生じているという事が考えられます。
なので今回の施術の方向性として左の6番目の肋骨に対しての施術とプラス肺炎気味だったという事は肺の機能も衰えてているはずなので肺に対しての内臓マニュピュレーションという手技を入れていきたいと思います。
左胸の痛みの施術編と結果
では実際の施術編を書いて行きます。
上記で左6番目の肋骨に対して施術していくという事を書きました。
やり方はというとAさんをベットに仰向けに寝かせた状態から左の腕を開き首の後ろに手を当てた状態になります。
その状態から天井方向に力を入れてもらいながら術者(私)が抵抗をかけていくというやり方です。
(文章での説明が難しくて分かりにくかったらすいません汗)
目的とすると大胸筋の働きを使って肋骨を引き上げてい行くようなやり方になります。
イメージとして下のイラストをご覧ください。
上記のイラストは胸筋のイラストなのですが大胸筋に注目してください。
大胸筋は上記のイラストのような感じで分布しているのですが詳しく言うと、
大胸筋は繊維によって付着部位が変わり、上部:鎖骨の内側前方1/2 下部:第1~6肋骨の肋軟骨の前面とその胸骨部分に付着します。
つまり今回狙うのは肋骨の6番目でありそこに付着する大胸筋の下部繊維に対して働きかけることで肋骨の障害を解決しようというわけです。
では実際上記の方法を10回程度繰り返し結果はどうか確認します。
結果として左胸の吸気時の痛みは取れました^^
時間にして5分しないぐらいですね。
Aさんもびっくり。
この時点で問診検査も合わせると約30分程度。
今回の主訴の左胸の痛みは取れたので次におそらく肺炎気味になって肺の動きも鈍っているだろうと考え、肺へのマニュピュレーションもおこないました。
これは両肺行い時間にして約10分程度。
そうすると先ほどより息が吸いやすいとのお声を頂きました。
とりあえずこの日の施術はこれで終了。
一応念の為また様子を見せてくださいと伝え五日後に予約を取りAさんはお帰りになられました。
最後に今回のまとめを書いて行くのですが一応注意事項も書いて行こうと思います。
他の考えられる可能性と注意事項
今回の左胸の痛みの原因は肋骨であり徒手療法で対応出来る範囲だったのですが胸の痛みは重要な病気が隠されていることもあり注意が必要です。
胸、胸郭の中には肺や心臓、脾臓、肝臓、胃、気管支、などがありこのどれかの内臓に病気や障害があっても胸に痛みを感じたりすることがあります。
その中で特に注意が必要な場合もあり、
・痛みが鋭い感じ 明らかな強い痛み
・不整脈や強い動機息が乱れている感じ
・意識が遠のく感じ
などの明らかに緊急性がありそうな場合は医療機関への受診をお勧めします。
また今回は肋骨の障害が主な原因でしたが左胸の痛みは、左の肺、心臓、脾臓、胃などに問題があると関連痛として痛みが出る場合があります。
特に左の肋骨の6番は胃の入り口、噴門の場所であり逆流性食道炎や食道の下部、胃の上部で問題がある方は痛みが出やすいと言われています。
そのような方は胃へ内臓マニュピュレーションと呼ばれる手技を行う事で痛みが改善されたりします。
では最後まとめを書いて行きます。
今回のまとめ
今回お客様は左胸の痛みが主訴でした。
痛い動作は息を吸う事、原因は左の肋骨の6番目、誘因として3月頃の風邪による肺炎が考えられ
肋骨に対する施術をしたところ息を吸うときに左胸の痛みは改善されました。
また胸の痛みといっても原因は色々あり、その原因によって施術方法は変わります。
明らかに緊急性が必要な場合は医療機関へ促す場合もあります。
もし同じように息を吸うときの胸の痛み、息苦しさでお悩みの方はお力になれるかもしれません。
是非相談お待ちしてます^^