気胸でお悩みの50代男性Wさんー管理職ー船橋市東中山在住

初めに

 2024年8月26日、気胸でお悩みの50代男性Wさんがご来店されました。

 来店された経緯として6月に胸の息苦しさを覚えて病院に行ったところ右肺が気胸になってしまい少し潰れているという事が分かったものの、

 手術をするまではいかないぐらいの気胸で病院では安静指示をされ様子見と言われていたそうです。

 しかし寝る時に息苦しかったり、咳が出たり、辛い感じがずっと続いており少しでも何とかしたいという事で色々探していたところ、

 当店のHPを見つけ、

 「内臓への施術をしているのであれば肺にも可能なんじゃないか」

 と思い今回来店に至ったそうです。

 では今回書いて行く内容は以下の通りです。

・Wさんと気胸について問診編
・身体の検査編
・問診検査のまとめ 施術の方向性
・施術と結果
・今回のまとめ

 の順番で書いて行きます。

Wさんと気胸について問診編

 今回のお客様は50代男性wさん、仕事は管理職をしており、基本はパソコンを使って仕事をしていることが多く管理職という役職上部下をまとめたり、指示を出したりするそうですが

 部下とのけんかや仕事上でのストレスがとても多いとの事でした。

 今回の主訴は気胸というよりかは軽度の気胸による胸の苦しさや息苦しさで、普段から息が吸いにくく、呼吸がしずらいとの事。

 実際に来店の2ヶ月前に病院でレントゲンを撮ってみると右の肺が縮んでいることが確認できたが手術するほど縮んでいないし、生活が出来ているなら安静にするほかないと言われて安静にしていたが

 気胸になってから体力が続かなく、朝仕事に行き、夜8時には自宅に帰るがもうその時点で起きているのがしんどくすぐ寝てしまうという感じになっているとの事でした。

 夜寝る時も右肩を下にしてねると息がしづらくなって咳がこみあげてくるような感じになるので寝る時はずっと左肩を下にして寝るしかないという状況という事です。

 他にも頭痛や肩こり、眼精疲労、動悸、冷や汗、胃の痛みなどもあるが今回一番気になるのは息苦しさでした。

 既往歴として実は10年前と2年前ぐらいにも気胸になってしまいその時も同じような感じで自然気胸になったが軽度だったため安静にするしかないと言われて手術はしなかったそうです。

 他に病気はケガなし。

 運動は元気な時は週1,2で10キロ程度ジョギングをしており1年に2回はマラソンの大会にも出ているようでした。

 アルコールは普段飲まない。

 ストレスはめちゃくちゃ強い。

 健康診断で引っかかっているもの血圧が高め、ストレスにより不眠などもある為不安や緊張を和らげる薬を種類程と血圧を抑える薬を飲んでいるそうです。

 アレルギーなどは無し。

 以上の事が問診で分かりました。

身体の検査編

 次にWさんの気胸と身体の検査について書いて行きます。

 徒手検査では気胸自体に対する検査はありませんが気胸の検査というより気胸によって関節に何かしらの障害が起きていないかを見ていきます。

 今回見ていくのは肋骨です。

 なぜかというと肺というものは胸膜という2重の膜に覆われておりさらにその周りに肋骨や肋骨の間の肋間筋という筋肉や皮膚によって構成されているのですが、

 気胸や喘息などの肺や気管支疾患などを患ったりすると肋骨が胸膜の圧力の変化などによってその患った組織に引っ張られるように変性することがあります。

 その結果肋骨や胸骨が胸の内側に引っ張られるようになり肋骨が正常に可動しない、という事があります。

 では実際に肋骨の検査をしていくのですがやり方は患者さん(Wさん)を坐位にし、術者(私)が後ろから検査したい肋骨部分に指をあて、その状態でWさんに深く呼吸をしてもらうという感じです。

 肋骨は呼吸によって可動するのですがこの検査をすると少し感覚的な要素があり少し難しい所もありますが肋骨の可動性が分かります。

 結果はどうだったかというと右の肋骨の3,4番目に明らかに可動性のなさ(障害)と圧痛があることが分かりました。

 プラス左側の1番目の肋骨が大きく動きすぎている事が分かりました。

 では検査はこれで終了し、まとめ、施術の方向性を決めていきたいと思います。

問診検査のまとめと施術の方向性

 まず問診検査で分かった事をまとめていきます。

 問診

・性別年齢は50代男性 管理職で基本パソコンを使っている ストレスがめちゃくちゃある
・主訴は気胸による息苦しさ
・来店2か月前に軽度の気胸と診断 安静
・右を下にして寝ると咳が出る
・10年前と2年前にも同じように気胸になった
・他にも頭痛や肩こり、眼精疲労、動悸、冷や汗、胃の痛みがある
・趣味で週1,2程度でジョギング
・アルコールは飲まない
・高血圧の薬、不安や緊張を和らげる薬を2種類飲んでいる

 検査

・右の肋骨の3,4番目に明らかな障害と圧痛あり
・左の肋骨の1番目が動きすぎている

 という事が分かりました。

 では上記から分かる事と施術の方向を決めていきます。

 まずストレスのせいで精神的によろしくない状態なのは想像できるので恐らく自律神経的な問題も基礎にあると考えます。

 そのせいで他の症状や今回の気胸によって息苦しさなどが出て居ると思われます。

 なので今回行っていく施術の方向性として検査で障害が確認できた右の肋骨3、4番目の施術、左の1番目の肋骨、プラス肺への内臓マニュピレーションを行っていき、

 余った時間で自律神経への施術をしていきたいと思います。

実際の施術と結果

 施術編を書いて行きたいと思います。

 上記で行っていくのは肋骨への施術、肺へのマニュピュレーション、自律神経の調整と書きました。

 では実際のやり方を書いて行くとまずWさんにはベットに仰向けになって頂きます。

 その状態で右手を首の後ろに回して頂き肘を開くような形にします。

 そこから術者(私)がWさんの肩の前面を抑えて抵抗を加えていくのでWさんは肩を前面(天井方向)に力を入れていってもらうというやり方です。

 ややこしいですよね汗

 少しイメージしやすくなるためにこちらのイラストをご覧ください。

こちらのイラストは胸筋の筋肉なんですが注目してほしいのは小胸筋です。

イラストでは分かりにくいのでこの筋肉の分布を文字にすると、

起始 第3・4・5肋骨の前面

停止 肩甲骨の烏口突起

となります。

上記で行ったやり方はこの小胸筋にのみにアプローチする方法でして小胸筋を運動によって動かし今回障害のあった右の3、4番目の肋骨に対して刺激を加えて肋骨の障害を解決しようという施術になります。

実際に上記で行った方法を10回程度行い結果を確認します。

まずすぐに変化あった事は先ほどまで圧痛があった右の肋骨の圧痛が無くなりました。

次に右の肩を下にした時のせき込む感じはどうか確認すると、まだなんか違和感はあるが咳がこみあげてくる感じはないとの事。

次にそのまま肺へのマニュピュレーションを行っていきます。

まず内臓マニュピレーションとは手で内臓に対してアプローチする徒手療法の1つの技術となっています。

肺へのマニュピュレーションのやり方は側臥位(横向き)で行っていくのですが今回は気胸をしているのが右側なので右の肺に対して施術をするために右肩を上にした状態で横になってもらいます。

その状態で術者が肋骨を掴むような形で肺に刺激を与えていくのですがイメージとして以下のイラスト見てください。

簡易的なイラストでっ申し訳ないですが肺のイラストになっており実際にはイラストを見て左側が実際の右肺、イラストを見て右側が左肺になっています。

今回行うのは右の肺なのですが注目してほしいのは右の肺に2本の線が入っているじゃないですか、これを右斜裂と右水平裂といい肺を分断させています。

今回行う肺へのマニュピュレーションとはこの水平裂と斜裂に対して刺激を加え肺の可動性を高めようという施術になります。

※気胸をしたばかり、重度の気胸、出血を伴う場合はしません。

あと細かい事は色々あるのですが文章で書くとややしくなったり長くなるので省きます。

では結果はというと先ほどまで右肩を下にするとまだあった違和感が無くなっていました。

Wさんもびっくり。

この時点で問診検査施術を合わせると40分程度になり、あとは自律神経の施術をしてこの日の施術は終了。

結果として肋骨の障害も取れ圧痛も無くなり主訴の息苦しさや右肩を下にして寝た時のせき込む感じはなくなりました。

あとはストレスも大分あるし定期的に様子を見たい旨を伝え予約を取りお帰りになられました。

今回のまとめ

 今回は気胸でお悩みの50代男性Wさんー管理職ー船橋市東中山在住という題名で記事を書かせていただきました。

 気胸や息苦しさなどの問診や検査、施術内容まで。

 結果として主訴の辛さを改善することが出来ましたが、今回の気胸というものは重度であれば命に係わったりもします。

 今回文章で簡潔に伝わりやすく書いていますが気胸で息苦しい場合や呼吸がしにくい場合、

 徒手療法で改善出来るかどうか、施術しても大丈夫なのかなど様々な事に対して注意を払わないと危険な場合も考えられます。

 なので問診検査が大事になります。

 今回のような気胸や息苦しさ、呼吸がしにくいなどで悩んでいる方は多くいると私は思っており常々その方たちの手助けができればと考えております。

 なのでもしこの記事を読んでいる貴方が同じようなお悩みを抱えている場合何かお力になれるかもしれません。