【施術事例】「ズーンと重い腰痛」と「ハムストリングスの張り」の原因は!? 船橋市本中山在住30代男性Oさんの腰痛改善物語
初めに
こんにちは!整体院ゆいまーるです。
「座っていると腰がズーンと重くなってくる…」「太ももの裏が常に張っている感じがする…」「ノロウイルスや原因不明の下痢など、体調不良が続いて困っている…」
もしあなたがそんな腰痛や不調に悩んでいるなら、今回の記事はきっと参考になるはずです。特に、デスクワークで長時間座っていることが多い船橋市本中山にお住まいのあなたにとって、共感できる内容かもしれません。
2024年7月19日、ズーンと重い腰痛でお悩みの30代男性Oさんが当院にご来店されました。Oさんは元々、3月まで当院に通われていましたが、体調が良くなったため様子を見ていたそうです。しかし、時間が経つにつれて徐々に腰が重く辛くなり、自分ではどうしようもなくなったため、「もうこれは行くしかない!」と思い、再度当院にご来店くださいました。
今回は、Oさんのズーンと重い腰痛がどのように改善へと向かったのかを、以下の流れで詳しくご紹介します。
- Oさんの状態と腰痛の問診
- 腰痛の検査と症状の背景
- 問診・検査からの推測と施術方針
- 実際の施術と劇的な結果
- 今回のまとめ
もし似たような症状でお悩みの方がいれば、この記事を参考にして頂ければ幸いです。
デスクワークと体調不良が絡み合う腰痛:Oさんの状態と腰痛の問診
それでは、Oさんと彼の腰痛について詳しく見ていきましょう。
- 性別・年齢: 30代男性
- 職業: デスクワーク(普段からかなり座っていることが多い)
主な症状のズーンと重い腰痛は、座っていると痛みというか重さが増してくるような感じで、腰痛自体はご来店の1ヶ月前から気になり始めたとのことでした。
最初は重たい荷物を持った時に「腰が重いな〜」と感じ始め、そこから段々と腰がしんどくなってきたそうです。腰がしんどくなると共に、太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)が張っている感じが強くなってきたとのこと。そこからご自身で腰やハムストリングスのストレッチなどもしていたそうですが、どうにも良くならなかったそうです。
腰の痛みの場所は両側ですが、特に左側のL5番あたりが重い感じというか痛い感じというか、変な感覚があるそうで、ずっと気になるとのこと。特に前かがみになると引っ張られる感じで痛くなるそうです。普段は座っていることが多いので、前かがみになったり動き回ることは少ないようですが、ずっと座っていると重く辛い感じが出てくるとのことでした。
腰痛の他にも気になるのが、背中の張り感や姿勢の悪さとのことでした。
- 運動習慣: 週に1回水泳。
- 喫煙: なし。
- アルコール: 月に2回程度。
- ストレス: まあまああるとのこと。
- 睡眠時間: 5時間程度。
既往歴として大きな怪我や病気はないそうですが、実は当院に来ていない間に体調を崩したことが何回かあったそうです。ノロウイルスにかかりひどくお腹を下したり、発熱したり、肺炎になりかけて高熱が出たり、ノロウイルスが治ったのに原因不明の下痢がずっと続いていたりしたとのこと。検査しても何も異常が出ないのに不調は出ているようで、困っている様子でした。
次に、身体の検査へと進んでいきます。
腰の動き、ハムストリングス、そしてお腹の状態:腰痛の検査編
腰痛の検査について詳しく見ていきます。
今回の検査で診ていくところは、痛い動作や腰回りの関節・筋肉に異常はあるのか、そしてOさんの体調不良や下痢などが続いたことから、お腹の硬さや内臓の動きが悪くないかを確認していきます。
1. 立った状態での動作確認
まずは立った状態で痛い動きがあるか確認していただくと、上半身を捻ったりするのは平気だが、前かがみになるとL5の左側に引っ張られて痛い感じが出るとのことでした。また、そらすと腰ではなく背中(T12あたり)に痛みではなく引っかかりが強くなる感覚があるとのこと。
2. 座った状態での動作確認
次に座った状態ではどうなのか確認すると、まず座っていると何となく腰が重たく感じてくるそうで、重くなる感じは両方あるが特に左側に出てくるそうです。そして、重くなる感じが強くなると共に、太ももの後面にある筋肉、ハムストリングスが張ってくる感じがあるとのことでした。
3. ハムストリングス、股関節、お腹の硬さ・圧痛の確認
次にベッドに仰向けになってもらい、ハムストリングスの硬さ、股関節の硬さ、そしてお腹の硬さや圧痛があるかどうかも見ていきます。
- ハムストリングスの硬さ: Oさんに膝を軽く曲げた状態にしていただき、そのまま施術者(私)が太ももをOさんに近づけていくような感じでハムストリングスの突っ張り感を見るやり方です。その検査では、Oさんのハムストリングスは両方硬い感じと張っている感じがありましたが、特に左側が硬くなっていることが分かりました。
- 股関節の硬さ: 股関節を屈曲(曲げる)、内転(内側に閉じる)、外転(外側に開く)させ、引っかかりや痛みがあるかを確認しました。だいたいにはなりますが、両股関節とも90°を超えたあたりから、曲がっている股関節付近で痛みを感じ始め、100°あたりで辛い詰まり感が出てきました。そのまま股関節を屈曲し内転した際にも詰まり感と痛みを感じ、外転に関しては股関節の外側に詰まり感を感じました。少し左側が可動域制限と痛みがあるかなという感じでしたが、大きな差はありませんでした。
- お腹の硬さ・圧痛: 最後の確認はお腹の硬さと圧痛の確認です。簡単に言うと、お腹(腹腔)には様々な臓器が入っており、お腹を押してどこが硬いのか、痛みがあるのかで、だいたいどの臓器が悪そうか、もしくは負担がかかっていそうかということが分かります。では、実際にOさんのお腹を押して確認したところ、まずはお腹のどこを触っても硬かったり痛い感じがありました。特にみぞおちと下腹部に凄い張り感と圧痛があり、私が少し強めに押すと飛び上がりそうな感じの痛みもありました。
検査はこれで終了です。ここまでのことから何が考えられるのかについて書いていきます。
「酸欠」と「内臓疲労」が腰痛の引き金に:ズーンと重い腰痛の考えられる原因と施術方針
それでは、ここまでの問診と検査で分かったことをまとめていき、今回のズーンと重い腰痛の原因と施術方針を決めていきたいと思います。
問診から分かったこと
- 主な症状はズーンと重い腰痛。座っていると痛みや重さが増してくる。
- 腰痛と共に太ももの後面にあるハムストリングスの張り感も気になる。
- 特に左側のL5あたりの腰が気になる。
- 痛みが増す動作は前かがみ。
- 運動は週に1回水泳。
- 喫煙はなし、アルコールは月に2回。
- ストレスはまあまあある。
- 睡眠時間は5時間。
- 2024年3月から6月の間に、ノロウイルスや肺炎、原因不明の下痢などの体調不良があった。
検査から分かったこと
- 立位で前かがみになると、左側のL5あたりの腰が引っ張られる感じがする。
- そらすと、T12あたりが引っかかる感じがする。
- 座っていると何となく腰が重くなる(特に左側)。
- 座っているとハムストリングスが張ってくる。
- ハムストリングスを伸ばすと硬い感じ(特に左)。
- 両股関節の屈曲、内転、外転の動きが悪く、痛みがある。
- お腹は全体的に張っており、特にみぞおちと下腹部は圧痛がかなり強い。
箇条書きですが、今までの問診と検査でこのようなことが分かりました。この中から、主な症状であるズーンと重い腰痛の原因を探っていきます。
色々考えられることはありますが、今回重要なポイントは以下の2つです。
- ハムストリングスの硬さ
- お腹の圧痛(内臓の状態)
まず、慢性的な腰痛の原因は主に局所の酸欠です。 詳しくはこちらの腰痛編をご覧ください。(参考記事:腰痛について 慢性)
そのことを踏まえて書いていきます。
上記で今回のポイントはハムストリングスの硬さだと書きました。 「座っているとハムストリングスが張ってくる」「腰が重くなってくる」「実際に伸ばしてみると硬い」このような点から、ハムストリングスが影響していると考えられます。
解剖学的にハムストリングスを見ていくと、ハムストリングス(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋)は主に坐骨結節から始まり、脛骨内側顆(けいこつないそくか)で終わります。 イラストをイメージとして参考にしてください。
(イラスト:ハムストリングスの解剖図)
このハムストリングスは、細かい動きもありますが、基本的に膝を曲げる際に主に働きます。では、Oさんの腰痛が辛くなるのはどういう時なのかというと、座っている時でした。座っているのはどういう状態なのかを考えると、股関節と膝は曲がっている(屈曲)していますよね。
ということは、以下のサイクルが考えられます。座っている → ハムストリングスが収縮する → 寛骨(骨盤)が引っ張られる → 骨盤後傾に伴い腰の筋肉に伸張ストレスがかかる → 伸びた筋肉の中にある血管を潰してしまい血流が悪くなる → 腰の筋肉の酸欠になる → 痛みを感じる(酸欠)
つまり、筋肉の硬さによって腰の筋肉に酸欠が生じ、痛みと感じているということですね。
もう1つのポイントはお腹の圧痛だと書きました。 それはなぜかというと、Oさんは度重なる体調不良(ノロウイルス、肺炎、下痢など)のせいで内臓に負担がかかっていることは想像できます。内臓というものは、身体のかなり重要な部分であることは皆さんお分かりになると思います。
他にも色々ありますが、血流が必要な優先順位というものはある程度決まっていて、筋肉より内臓の方が生命維持に重要なので、内臓に問題があると人体は筋肉より内臓に血流を送ります。そのため、内臓が悪い方は筋肉に血流が行き渡りにくくなり、筋肉に酸欠が生じやすく、痛みを感じやすいということが言えたりします。
そして、今回のOさんの場合、お腹全体的に張っている感じがあるのと、みぞおちと下腹部に圧痛があるということから考えられるのは、全体的に内臓の調子が悪く、特にみぞおち(胃、胆嚢、膵臓、肝臓など)、**下腹部(大腸、小腸、膀胱など)**の臓器に負担がかかっている、もしくは機能が低下している可能性が考えられます。実際、下痢の症状は肝臓と大腸に関係しやすいともされています。しかし、Oさんの場合はノロウイルスや様々な不調があったせいで、一時的にお腹全体的に炎症が起きていることも考えられます。
では、少しややこしいのでまとめて、今回の施術方針を書いていきます。
まずは腰痛の一番の原因でありそうなハムストリングスの硬さを緩めるために、ハムストリングスに鍼灸施術と揉みほぐしを行います。そして、内臓に対しては、全体的な張り感を取るために仙腸関節(せんちょうかんせつ)並びに仙骨神経叢(せんこつしんけいそう)にアプローチし、お腹全体に内臓マニピュレーションを行っていきたいと思います。
鍼と内臓調整で腰痛が「ゼロ」に:実際の施術と結果
実際の腰痛の施術の様子を書いていきます。
今回の施術で行うことは、ハムストリングスへの施術と仙骨神経へのアプローチ、お腹全体へのマニピュレーションを行うことにしました。
一番は腰痛を取ることなので、最初にズーンと重い腰痛の一番の原因と推測されるハムストリングスへの施術を開始しました。
やり方は、ベッドにうつ伏せになっていただき、直接ハムストリングスに鍼を8本ほど刺鍼し、5分ほど置鍼します。5分経ち、鍼で緩めたところに筋肉に直接揉みほぐしを行い、さらに緩めていきます。揉みほぐしも時間にして両方で5分程度です。
では、まずこれで腰痛が解決しているのか確認するために、Oさんに座ってもらい痛みの感じを確認しました。そうすると、さっきまで座っているだけで何となく重たいような痛いような腰痛は10から3程度に減っており、座っているだけで気になっていたハムストリングスの硬さも消えていました。
次に、仙骨神経叢へのアプローチ方法ですが、やり方的にベッドに仰向けになっていただき、仙骨の動きを調整するような感じです。細かい方法は感覚的なものが大きいので説明は難しいのですが、時間にしてこれも5分程度です。
では、これで何が変わったでしょうか。すでに施術の最中からお腹がゴロゴロと鳴り始め、内臓が動き始めていることは、Oさんご本人も私も確認できました。そして実際にお腹の圧痛はどうか確認すると、まだ奥に硬さと圧痛はあるものの、最初ほどのお腹の張り感と圧痛はなくなり、その結果、先ほどまで硬かった股関節が柔らかくなり、屈曲、内転しても痛みが出なくなりました。Oさんもびっくりされていましたね。
では最後に、お腹全体のマニピュレーションです。やり方は簡単にお腹全体をほぐしていくような感じです。詳しい内容は秘密ですが、これは時間にして3分ぐらいで終わります。
この効果として、さらにお腹の圧痛が減ったのと、股関節の可動域が上がりました。そして最後に肝心な腰痛がどうなっているか確認すると、さっきまで残っていた3の痛みが0になっていました。
この日はこれで腰痛の施術は終了です。
全体的な結果としては以下の通りになりました。
- 腰痛の痛みは術後、10→0に改善(長時間の座った状態での痛みは、仕事をしないと分からない)。
- 股関節の硬さが柔らかくなり、痛みがなくなった。
- お腹の圧痛と硬さが柔らかくなった。
このような改善が見られましたが、完璧にはまだ良くなっていないことを伝え、Oさんには次回の予約を取っていただき、お帰りになられました。
慢性腰痛は全身で診る:今回のまとめ
今回のOさんの腰痛は、ハムストリングスの硬さが主な原因でした。
しかし、そこにノロウイルスや体調不良など様々な要因が重なり、腰に酸欠が生じやすくなっていることも考えられたため、負担がかかったであろう内臓に対して施術をすることで、さらに腰痛だけでなく股関節の硬さや機能改善をすることができました。
もしあなたがOさんのように、ズーンと重い腰痛や、度重なる体調不良に悩んでいるのであれば、もしかしたらそれは内臓の疲労や全身のバランスが関係しているのかもしれません。
ぜひ、腰痛でお悩みの方がいれば、一度当院にご相談ください。あなたの症状の根本原因を一緒に見つけ、改善への道をサポートさせていただきます。