【眼精疲労と頭痛】目の奥が重い…20代デスクワーク男性Iさんの整体施術例|船橋市印内より来店

◆はじめに

2024年5月31日、眼精疲労を主訴に船橋市印内在住の30代男性Iさんが当院にご来店されました。Iさんは日々のデスクワークに加え、長時間のパソコン作業により目の奥に重だるさや不快感、さらには後頭部の頭痛といった症状に悩まされており、「このままではまずい」と危機感を抱き来店されたとのことでした。

今回は、Iさんの症状に対して行った問診・検査・施術の一連の流れを解剖学的・生理学的観点から解説し、眼精疲労の背景に潜む要因と改善のアプローチについて詳述していきます。

◆眼精疲労の背景と初期評価

Iさんは在宅勤務と出社を併用する業務形態で、1日あたり最大12時間もの間、パソコン作業に集中している生活を送っていました。運動は週1回のジム通いで、主に筋力トレーニングと有酸素運動を行っているものの、目や頸部にかかる負担は十分にリリースされていない様子が伺えました。

問診から明らかになった症状は以下の通りです:

  • 主訴:眼精疲労(目頭・眼窩部の重だるさ、眉間の緊張感)
  • 併発症状:後頭部の頭痛、側頭部の張り、肩こり、腰痛、足の重だるさ
  • その他:ストレスの自覚あり、月2回程度の飲酒、喫煙習慣なし

◆検査所見(可動域・視覚関連筋群の評価)

Iさんの眼精疲労に対し、関連する頸部および視覚筋群の機能評価を実施しました。

  1. 頸部可動域検査
    • 頸部後屈時(上を向く動作):後頭部に圧迫感を訴える
    • 右回旋:左頸部の張力を感じる
    • 左回旋:左頸部の違和感を訴える
  2. 眼球可動域検査
    • 仰臥位での視線追従検査では、特に右上および左上の視線移動に困難を訴え、眼球運動を司る上斜筋の可動制限が示唆されました。
  3. 触診による筋緊張の評価
    • 後頭下筋群(特に大後頭直筋・小後頭直筋)に著しい緊張と圧痛あり
    • 第1頸椎(環椎)の可動性低下を触知

◆眼精疲労のメカニズムとIさんの症状の関連

眼精疲労とは、視覚作業過多に伴う視神経系および眼周囲筋の疲労・循環不良によって引き起こされる症候群です。以下の要素が主に関与しています:

  • 視神経の過緊張・炎症反応
  • 眼球周囲の筋緊張(上斜筋、眼輪筋、上直筋など)と局所の循環障害

また、眼精疲労は単に局所の問題にとどまらず、頸椎~頭蓋領域に存在する自律神経系、特に副交感神経の抑制とも密接に関係しています。

Iさんの場合、PC作業による長時間の視神経負荷と、それに伴う後頭部~側頭部の筋緊張(視覚情報処理に関与する後頭葉・側頭葉と密接に関連)によって、後頭部の頭痛や眼精疲労が引き起こされていました。

さらに、右上および左上視線の可動制限は、上斜筋の慢性的短縮・筋膜癒着の可能性を示唆しており、血流の低下による疲労物質の蓄積や神経圧迫が生じていたと考えられます。

◆施術内容と反応

眼精疲労に対し、以下の三方向からのアプローチを実施しました:

  1. 局所循環改善(眼周囲の鍼灸施術)
    • 使用経穴:晴明(せいめい)、攅竹(さんちく)、承泣(しょうきゅう)など
    • 手技:眼輪筋および周囲の筋膜リリースを目的とした置鍼10分
  2. 自律神経調整
    • 仙骨部へのアプローチ(仙腸関節周囲筋群のリリース)
    • 頭蓋調整:後頭骨~側頭骨のモビライゼーションを用いて副交感神経活性を促進
  3. 頸部機能改善
    • 後頭下筋群への手技療法(筋弛緩・圧痛軽減)
    • 第1頸椎の可動調整(触診誘導法)

施術後、Iさんは「目の奥がスッキリした感じがあるが、とにかく眠い」と発言。副交感神経優位の状態に移行し、全身の緊張が大幅に緩和されたことが確認できました。

◆再発予防とセルフケアの指導

施術後、Iさんには以下の点をアドバイスしました:

  • デスクワーク時における目の上下・斜め方向への視線運動を定期的に行う
  • 長時間作業時の**20分に1回の休憩(20-20-20ルール)**を励行
  • 就寝前のスマートフォン使用制限による視神経の休息確保
  • 肝臓への負担軽減(アルコールやサプリメントの過剰摂取回避)

◆まとめ

眼精疲労は単なる目の疲れではなく、**神経系・筋肉系・循環系・内臓機能(特に肝機能)**など多岐にわたる要素が関与する複合的症状です。

たかが眼精疲労と侮らず、適切な評価と早期介入によって、深刻な視覚障害や自律神経失調への進展を防ぐことができます。

もし船橋市やその近隣にお住まいで、同様の症状にお悩みの方がいらっしゃいましたら、当院が全力でサポートいたします。